完璧な休日

今回は完全に日常回ですので、少し短くなります。

――――――――――――――――――――


「……昼だ」


 起きて時計を見ると既に11時を回っていた。


 昨日の早是とのお出かけで相当疲れたんだろう。


 ゆっくりと起き上がり下に行く。


「あっ、お兄ちゃん、今日は起きるの凄い遅かったですね」

「昨日出かけたのが結構体にキタらしい」

「お兄ちゃんあまり出かけないですもんねー」


 うっ、なんも言えねぇ……。


「取り敢えず、ご飯をお恵み下さい」

「はぁ〜い」


 愛花がキッチンに言って何かを電子レンジで温め始める。


 そしてその間はテレビを見る。


 もうすぐ12時を過ぎるくらいの時間なのでやっているのはThe・昼時番組という感じの番組だ。


 その中の『ヒルナンヤ!』という番組を見つつ愛花のレンチンしてる料理が温まるのを待つ。


 数分経って『チーン』と音がして、愛花が取りに行く。


 いや自分で行けよと思うかもしれないが、キッチンからここの机に運ぶまでに3回は転ぶ自信がある。


 家事って……大変なんだなぁ……。


 そう考えると昨日皿洗いが出来たのは奇跡だと言える。


 普段だったら皿が勝手に中に舞うからね。


「お兄ちゃんお待たせしました、妹特製激美味いもうととくせいげきうまスープです!」

「……スープで腹が埋まるのか?」

「ふっふっふー、お兄ちゃん、こうするんですよ」


 そう言って取り出したのは茶色い液体カレールー……おい待て何をするつもりなんだやめろぉ!


「えいっ」


 茶色い液体がスープに溶け込む。


「こうするとお腹が埋まります!」


 け……結局カレーになるのか……。


 一口食べて「うまい」と言ってからスープを飲んだりしてちゃんと完食した。


 その後も『ヒルナンヤ!』を見ていると一時になっていた。


 いやぁー時が経つのは早いなぁー。


 テレビを消して自室に戻る。


 そして……


「ゲームやろぉーっと」


 いつものダンジョン系ゲームである。


 あの花園さんに似たキャラを使ってから段々と奥の階層まで行けるようになってきた。


「よーしよし付いて来い」


 敵を魅了して仲間に出来るのはやっぱ強いわ。


 ゴロゴロとしながら隠し通路に潜る。


「どんなモンスターがいるのかなぁー?」


 因みにこのゲームをやる時は【探知】を発動しないようにしてる。


 お宝の在処ありかとか分かっちゃったら楽しくないしね。


『『『グギャオオ!』』』


 奥から図体がデカいゴブリンが何体か出てくる。


 だがそれを今までに仲間にした元敵達が倒してくれる。


 うん……敵の能力がそのままの状態で仲間になるのはやっぱチートだわ。はっきり分かんだね。


 そしてそのままゴブリン達がやられる。


「おっ、良い素材落とすなぁー」


 素材を拾いつつ探索をする。


 そしてその後も順調に敵を倒して遂に最終エリアボス、つまりラスボスの前に来た。


「ふぅ〜、やっぱ緊張するな」


 決定ボタンを押して扉を開く。


 ラスボスと言っても何体かいて、今回は強さで言うと「中」に当たるラスボスだった。


 そしてそいつをここにくるまでに手に入れた装備で攻撃する。


「うおっ!? 危ね、全体攻撃やっぱキツいなー」


 攻撃をかわしつつ、剣で切る。


 そして数分経って……


「よっしゃー! 倒せたー!」


 ボスの落とした素材を拾ってホームへ帰る。


 そこで色んな武器を強化したりするのだ。


 こういう自分で探索して集めた素材でなんかを作るっているのがマジで楽しい。


 そしてそのゲームに没頭しまくるといつの間にか夕方に……。


「うわ、こんな時間までやってたのか俺」


 かばんから宿題などを取り出して、やる。


唯我独尊ゆいがどくそん……何だそれ?」


 古典って難しいなぁー。


 それを休憩を挟みつつやり続けてなんとか終わらせる。


 そして終わって少し休んだタイミングで、愛花が


「晩御飯できましたよ〜」


 と俺を呼ぶ。


「今行く〜」


 カレーではない事を祈りつつ下へ降りる。


「ご賞味しょうみあれ〜、妹特製美味いもうととくせいうますぎ丼を!」


 出てきたのは牛丼だった。


 ……普通家で牛丼って食べるか? ……食べるか。


 匂いから既に良い牛丼を頬張ほおばる。


「んんんん!?」


 塩が! 胡椒こしょうが! なんかの香辛料が! 全部マッチしてやがる!


「美味すぎ……」

「ありがとうございます♪」


 もぐもぐと食べて何杯かお代わりしてお腹が一杯になる。


「ご、ごちそうさま……」

「食べ過ぎですよ〜お兄ちゃーん」


 美味すぎて腹が限界だって言ってるの気付かなかった……。


 水を一杯飲んで自室のベットに横たわる。


 そして明日来る学校という少し憂鬱ゆううつな日に備えて少しだけ早く寝た。

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