第20話

 目が覚める、部屋には一人、外はもう明るい。

 睡眠魔法のおかげか、疲れと怪我のせいか泥のように寝ていたようだ。

 

 ベッドから起き上がり体を伸ばす、体調は万全かな?治癒魔法って凄い。

 気づくと最初に借りたローブを着ている。治療のために脱がしたんだろうか、服はボロボロになってるだろうな。

 流石にパンツは履いていた、こんなパンツだったっけ?

 

 そういえば加護を切ると力が多少落ちるって言ってたな、体を動かしておきたい。カタリナの場合は巫女でもなくなり特殊な能力も失うと言っていたが大丈夫かな?

 

 体をほぐしているとカタリナが帰ってきた。

 旅に出る為か巫女を辞めるからかシスター風の服はやめたようだ。


「おはようございます、体調はどうですか?」


「おはよう、問題なさそうかな。えーと、ご迷惑おかけしました」


「はい、もうあんなの嫌ですよ。今日から私も一緒に行くんであんな事起こらないようにしましょう。一緒に頑張りますよ!あ、もう天使の命令も無いので程々で!」


「本当に一緒に行くんだ、大丈夫?」


「大丈夫です!多分……こう見えて力は普通の人より強いんですよ、足も結構自信あります!」


「そっか、でも道中は良いけど危険な探索や死ぬ可能性のある敵は俺一人で行くから」

 不満顔である。でも、もしもの時もあるだろう。悲しいけど守れる自信も力も現状ない、足りないものは俺の命で補えばいい。


「認められないなら俺は畑でも耕しながら一人で生きていくぞ」

 二人なら俺はそれでもいいけど。


「……わかりました」


「もしもカタリナが死んだら俺はすべてを呪って神や人類の敵になるから」


「わかりました、ですが絶対に死んでもいいとは思わないでください」


「よし、決まりだ!準備はどう?荷物が見当たらないけど」


「大丈夫です、巫女をやめると相談したらいつでも帰って来いと。部屋はまだ余ってるしそのまま置いておいていい、それだけの仕事は今までしてきたんだから文句は言わせないって、みんなに言ってもらえて。甘えちゃっていいんでしょうか?」


「良いんじゃない?甘えていい場面だと思うよ」


「そうですか、そうですね。甘えちゃいましょう。部屋もいつ片付けても良いと伝えてますし、この街を出るまではお世話になっちゃいましょう」


「じゃあ、どうしようか」


「買い物に行きましょう、予備の服と装備一色。野営の準備はまだいいですよね?」


「そうだね、まずは装備と戦いの経験を積んでリッチにリベンジ、再戦だ」


「お金は結構あるので最初の物より良い物買いましょう」

 うーんまた借金、悲しい。

 

 気にするなとか一緒に旅に出るんだから一緒の財布にしましょうとか言われたけど気にはなる。

 武器防具の売り場を知らないとの事なのでおっさんとドワーフの店に向かうことにした。


「おっさんいるか?ハンスさんだったっけ?」

 

「おう、らっしゃい。おっさんでもハンスでも好きに呼べ。どうした、またなんかダメにしたか?」

 笑とるで、あいかわらず絵にかいたような豪快な店主だ。


「なんだお前!凄い美人を連れてるな!あ、いや巫女様じゃねえか!もしかして巫女様は彼女なのか!」


「おう、そんな感じだ。経済力と住む場所、彼女を守り切れる力が手に入ったら求婚するつもりだ。後、もう巫女じゃないぞ、天命で2人で魔物退治の旅に出る予定だ」

 雑にふかしておこう、顔広そうだし手を出そうとする男が減ればいい。


「なにをイキナリ……」

 カタリナちゃんは耳まで真っ赤である。手ごたえは案外悪くないのかもしれない。


「という事で装備と替えの服が欲しいんだ、ちなみに俺の防具は諸事情により一から集めなおしだ」


「そうか、凄そうな男だと思ってたが凄い男だな。そうか。凄えな」

 そんな混乱する程か、やっぱり巫女って凄い存在のようだ。


「巫女様を守るんじゃ、そんじょそこらの装備じゃダメだな!待ってろ!」

 商品ぶっ飛ばしながら店内ダッシュである、おっさん商売する気多分本当にない。

そして悲しげな顔で戻ってくる。ギャンブルで負けてとっておきの装備を売ったのを忘れてたらしい。どうでも良いので、防具、鎧用の服、ポーション、戦闘中邪魔にならない程度の鞄を買いドワーフの店に向かう。


 ドワーフの店でも似たような展開が行われる。

 俺のそこそこの装備と、カタリナのとっておきの激安装備を買っていく。

 なにも望んでないのに姫プレイを決めていくカタリナちゃん。

 ちなみに、遠距離武器、弓などは置いてなかった。弓なんてエルフの武器!気に入らねえ!みたいな事あるんだろうか?どうでもいいか。使える気しないし。


 次は服を、カタリナちゃんが店を選ぶ。

 服も任せる、カタリナちゃんの好みで任せる。

  

 教会に戻り装備を整える。俺の装備は前日と大して変わってはいない。

 盾がサブウェポンとして便利だったので質のいいものに。


 最後に城で冒険者カードの再発行、カタリナちゃんの新規発行も行う。

 そしてざわつく周辺、カタリナちゃん注目の的である。

 俺の戦闘力は6から変わっていなかった、ちなみにアンデッドの討伐記録はカードに記憶されているらしく何も貰えなかった、しょうがないね。

 しかし、あれだけ戦って戦闘力は変わってないのか。デスペナかな?加護無くなったからか?まだ一般人よりかなり強いみたいだし良いか。そこまで影響はないだろう。

 ちなみにカタリナちゃんの戦闘力は見せてもらえなかった。そして、受付嬢がカードを渡す時にしきりに首をかしげていた。コイツはチート主人公の香りがするねえ。

 もしかして、俺はただの当て馬では?カタリナを魔物討伐の旅に出させるための切っ掛け兼盾みたいな。それなら天使が妨害しないのも納得できる、かも。

 じゃあ余計に戦わせるわけにはいかねえな!

 勇者でも英雄でも盾でも捨て駒でもなんでも俺に任せろ。



人気ないので終了します。中途半端で申し訳ない!

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テンプレクエスト もろこしころし @corncorn

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