『メモ』より抜粋



「神代ジカン超越探偵事務所」


 二人で名前を考えた探偵事務所。

 あらゆる時系列に存在し、あらゆる殺人事件を解決することを理念としていた。

 神代みかんは自らの嗜好を満たすために探偵となったらしいが、僕は生きるために助手になるしかなかった。


 ……今では、感謝してる。




「道」


 個々人の主観的な時系列……みたいな概念(だと思ってる)。

 神代みかんからは何度も説明を受けているが、細かいニュアンスはまだよく理解できていない。この時代特有のワードだと思う。


 タイムマシンの普及で客観的・相対的な時系列が無意味になった事で、自分のこれまでの過去と未来を道の先と後ろと大雑把に表しているのだと思う。




「渡航法」


 この時代が始まる前に制定された法律、らしい。

 正式名称は知らない。旧世界の文献はもう残ってないし、覚えている人ももういない。ただし、渡航法を違反するとなんちゃら統括局から罰則が下るらしい。


 渡航法は幾つかあり、来た『道』を戻ることがその一つなんだとか。(訂正:たぶん七年くらい経ってたら戻っていいっぽい?)

 他に何があるのか聞いておくこと。


 追記:殺人事件も渡航法に違反するらしい。




渡航記録ログ


 どの時代にタイムトラベルしたのかという履歴。

 これまで辿った『道』の記録を確認できるのだとか。ただ、あまりにも情報量が膨大すぎて確認する人はほぼほぼいないらしい。


 手首に浮かんでた電子回路みたいなものに記録が保存されている?


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神代みかんの事件簿には時間がない 大根ハツカ @butabaradaikon

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