第3話 家族という塞がり

夜の森…三分割に切られた熊のモンスターと唖然としているたぬきの俺…そして、同じく唖然としている少女がいる

「え…えっと…大丈夫?」と俺は少女の方へ向かって行きながら言った。

すると少女は顔をこちらに向けて

「たぬきが…喋ってる…」と言った。

俺はこくんと頷いた。

その少女はすぐにすっと表情を変え、立ち上がって足に付いた砂をぱっぱっとしながら「うん…大丈夫、ありがとう」と言った

すると首をかしげて「ところであなたって家あるの?」と質問をしてきた。

俺は「いや、ないけど。ただこの森で探索をしてただけ」と少女の方に向かって言った。

すると急にお腹からギュ〜〜〜という音がなった

…そういやここ最近は木に落ちてた実とか食ってたな……そろそろ腹減った…この少女の家に泊まらせてもらうのもいやだし…と思いつつ「じゃあ元気でな…」と森方面へ歩こうとしたが「待って!」と少女に止められた「よかったら家に来ない?…助けてくれた礼をしたい」と少女は振り向きながら言った

俺は「本当に…」と言ったが

うーん…どうするか…いや…本人が許可をしてくれるなら…

「ありがとう!」と言って俺は少女の後ろにしょってる荷物入れに乗った

「私はアベリア…アベリア•ジョイディス」と少女は自己紹介してくれた。

「そういえばあなたの名前って何?」と聞かれたが名前なんて無い「あー…まぁ凄い変わってるたぬきだよ。」と言って村の方へと向かっていった。


「な!?…」俺は今驚いていたなぜならこの少女、アベリア•ジョイディスと言う子。

この村で2番目ぐらいに大きめの家だった。

「?…どうしたの?」と唖然としている俺を疑問にしているアベリア…

疑問としていたが何事もないようにドアを開けようとしたが

待てよ…俺今たぬきだろ、俺何も事情がわからない村長からすると俺殺されて食われる対象!?やばいいや考えすぎか?でも転生してから数日で死ぬとかはない!

「ま…待ってくれ!まだ俺の心の準備がまだだから!」と言ってドアの前に防ぐように立って言った。

「え?…ちょ!?…ちょっと」とどかせようとするがここでドアを開けてしまったら俺は焼き肉コース直行!かもしれない!諦めてたまるかぁ!と俺はアベリアがドアを開けようとするとを必死に防いだ

するとドアからムッキムキの男が出てきて俺はグルグルと回転してちょうどアベリアの足に当たった「おっアベリアじゃねぇかぁ!ってなんだこのたぬきはぁ!!」と驚いていたが俺は目が回っていたがアベリアが「だ…大丈夫?」と言って俺の方を向いたそして俺はやっと目が普通になってきてその光景に俺は涙を流した…あぁ…俺は死んだかもしれない。


「そうかぁ!アベリアをお前さんが助けてくれたんか!それは感謝するなぁ!」とムッキムキの男は言った。

あのあと俺は殴られかけたがアベリアが誤解だと言ってくれて俺も食べられるかと思いあれをした事を言って今でかいテーブルに座っている。

「本当に…さっきはすいません…」と俺は落ち込んで言った。

「いやいやお前さんのせいじゃねぇよ俺のせいでもあるしな」と言ってくれたが、完全に俺のせいだ食べられると思ってアベリアがドアを開けようとしてくれたのに妨害し…ムッキムキの男に殴られかける…自業自得とはまさにこの事だ。

「ところで喋れるたぬきなんて見たことねぇなぁ…お前さん何かの新種か?」

と男は手を顎に当てて首を傾げながら言った、が俺は何故か唖然としていた多分だが、今の状況を整理しきれていないのだろう。

すると男は笑いながら

「まっ分かんねぇか!ハッハッハ!まぁ安心しろ!さっきのことは気にしてないし、お前さんを食うつもりなんてないさ」

と言ってくれた俺はようやく整理が追いついたそして最初の一言は

「ありがとうございます、あの!あなたの名前は?」と感謝と男の名前を聞いた。

すると男ははえーという顔をした後すぐに笑顔になったあとに

「俺か?俺はなグリロ•ジョイディスだ!アレンでいいぞ」と手をテーブルに抑えながらガハハと言うような表情で言った。

グリロ•ジョイディス…ジョイディス?たしかアベリアも同じだったような…もしかして家族か?疑問に思った俺は「あの、アベリアはあなたの娘なんですか?」と言うとグリロは「いや違うぜアベリアはある日ここの村のに捨てられていたんだ門の所にぽつんと座っていた、この子をどうするかという話をしたが、結局ここで拾おうという話になっていまアベリア•ジョイディスとしてこの家に暮らしているんだ。」と真面目な顔になって話していたが話が終わったあとまたガハハという表情になった。

ってことはだ…アベリアは捨てられてジョイディス家に拾われたと…アベリアの本当の両親はどうなってんだろうな…両親か…

___「なんであの子を私に押し付けるのよ!あの子はまだ子供よ!こんな選択でいいと思ってるの!」___「うるせぇ!誰のお陰でここまで裕福な暮らしになってると思ってんだよ!」___

「おいどうした?下ばっか見てて」

とフリオが心配していた、俺は「あ…うん大丈夫です」と返事した。嫌な記憶を思い出してしまって顔が渋くなっていた。

「そうか、まぁいいかそれよりもお前さん風呂入ってきたらどうだ?何ヶ月かあそこの森林にいて疲れただろう?」と風呂の方を親指で指して提案した、たしかにこのたぬきに転生してから風呂に入っていない。今の俺は多分…いや絶対に臭い!ここは遠慮なく入ろう「ありがとうございます!」と言って風呂の方へと向かった。

風呂に来たがドアを開けるとそこは

「広っい…いいいいいあああぁ!!」俺はこの風呂が広いことと先客が凄すぎた事に驚いた。

「な…なんだあれぇぇ」と呟いたそれは風呂に入っている男だがオークのようながたいをしており髪ははげているが立ち筋が強者のそれだ

俺はそーっと帰ろうとしたが

「む…なぜたぬきがここにいる…」と気づかれた。「あ…あの決して俺は悪いようなやつじゃないです。ただグリロさんが風呂に入ったほうがいいじゃねぇのかって言われたのできただけなんです」と説明をした。すると少し和んだ顔で

「グリロ兄さんが?…なるほど信頼はしていいんだなお前は」と言ったので「まぁ、はい」と返事をした。するとその男は立ち上がったがまた俺はまたびっくりしたでかい身長も!幅も!すると男は「ところで喋るたぬきか…どこから来たんだ?」と疑問をした、俺は「えっと、あそこの近くの森林です」と返事をしたすると「そうか…まぁ事情はわからないがアベリア嬢のいつもの手助けだろう」と疑問をしていた顔はすんと変わって答えた。

「手助けって?」と俺は質問をしたすると

「アベリア嬢はいつも困っている動物や人を見つけると放っておけない主義でねいつも苦しんでいる動物などを見つけるとこの家に連れてくるんだ…」とその男は手に顎を付けて答えた。

困っている人や動物を助ける…か…多分だが自分と同じ目にあっているからか…あれ?でも凶暴な動物とかはどうなるんだ?

「あの…その中に凶暴な動物や魔物とかは…」と言おうとすると「いるよ…」と言ってその男の人は睨んで上をみながら「前だがアベリア嬢が連れてきたんだが擬態の魔物を連れてきたんだがその時は俺と兄さんが倒したんだが…一人の時どうなっていたことやら…アベリア嬢は誰でも困っていたら助けるんじゃないと言っているんだがな…だから喋るからお前が擬態の魔物と思ってたんだがそうじゃなくて良かったよ。」と言っていたが俺の顔を見てにやけて言った。

「おい!みんなぁ!そろそろ夕飯だ!」とグリロの声がした「そろそろ俺は出るか」と風呂からあがってきた。「自己紹介がまだだったな俺の名前はガリア·ジョイディスだ、お前の名前は?」と自己紹介と俺の名前を聞いてきたが俺に名前なんて無い…「名前は…ない」と俺は答えると「そうか…まぁいいがなところでお前は何しに来たんだ?」と質問をしてきた「俺は体を洗おうかなと思って」と言うと「ならば俺が洗おう」とその男は俺の前に立った。

え…いや、いやいやだめだろ!こういうのは少女にやってもらえるとかそういうお決まりだというか…

「い…いやほらアベリアとかが…」と言おうとしたが「アベリアはいつも一人で入るのが好きだぞ」と話している途中に話した。

「あ…あのちょっと…ぎゃぁぁぁぁあ!」と無理やり洗う場所に連れられた___


おー…めっちゃきれいになってるな、転生してから体なんて洗っていない風呂もいい湯だったしスッキリとした気分だった。

そしてガリアと俺はリビングに来たすると物凄い美味しそうな料理が長いテーブルに置かれていた

「お!お前さんガリアも一緒だったんだな」とグリロは腕を組みながら座って言った

「あ、はいありがとうございます」と俺はぺこりとお辞儀をした。

するとアベリアが下に降りてきた。

「あったぬきさん、風呂入ったの?…」とアベリアは首をかしげて言った。

「うん、グリロさんが入っていいって。いい湯だったよ、ありがとうございます」と俺はアベリアにお辞儀をした。

すると頭を撫でられているような気がした。

「本当だぁアベリアじょー本当にたぬきが喋ってるよ!」と後ろから5歳児ぐらいの声がした。俺は振り返ろうとした瞬間だった。

俺は横に倒されて「ぅあ!!」となさけない声をあげた。

すると倒れた俺に振り返ると声の正体であろう少女が俺の上に座っていた。

「ねぇねぇたぬきさん!私メポ•ジョイディス!あなたの名前は?」と少女は元気に言った。

とにかく今はこの子に合わせよう

「メポさん、だっけ?俺には名前はないよ」と目を細めて言った。

すると俺の上に座っていたがジャンプし始めた

「じゃあ!じゃあ!私がつけてあげる!たぬき…たぬき…うーん…あっぽんすけ!」とこれまた元気に言った。

が、ぽんすけ!?ネーミングセンス!

すると「えへへ〜ぽんすけ〜よしよし〜!」とまるで柴犬をワシャワシャするようにしながら言った。

「ちょ!あはははは!まってほんとあはへはは!」脇をこちょこちょされるような感じで俺はふふふと言う感じで笑っている。

あー…5歳児って元気だなぁ〜。

俺、ついていけねぇよぉ…

するとアベリアがメポの頭にチョップをして「メポ、そこまで…」と言って止めてくれたメポはしょんぼりして「はぁ〜い…」と言ってテーブルへと猛ダッシュで行った。

はぁ…はぁ…はぁ…疲れた。俺は息が凄くあらくなっていた。

つっても子供と遊ぶというのは初めてだった…生きてて下のことは遊んだことないから…新鮮な感じだ。

「たぬきさん、大丈夫だった?」とアベリアがこっちに来て手を差し伸べた。

「あぁ、うんありがとうアベリアさん」と俺は差し伸べた手を取って立ち上がった。

「夕食できてる…食べに行こう」とテーブルを指さして俺に話した。

「うん、ありがとうございます」俺はアベリアと一緒にテーブルへ向かった。

「アベリア嬢遅いぞ、そうだお前さんの席はここだ!」とテーブルの真ん中いわゆるお誕生日席だった。

「今日は鳥の丸焼き肉とサラダだ!、お前さんにも食べられるような野菜だけのポトフ作っていたぜ」とグリロは腕を組みながら言った。

これ全部アレンの手料理かよ!すげぇ…ていうか俺の分まで食べやすいポトフまで作ってくれて

「いいんですか?」と俺はおーとかしか言っていなかったがようやく違う声を発した。

「いいんだよ困った奴は見捨てられないのがジョイディス家の意地なんだよ」と腕を組んだまま誇らしい感じで言った。

その時のグリロは勇敢というかまるで英雄そのもののような顔をしていた

「じゃあそろそろ冷めないうちに食うか!」とグリロはすっと顔をガハハという感じの顔に変わって

手をみんな合わせて「いただきます!」とみんなで言ってそれから明るく笑って話し合った。

俺はスプーンを取り久しぶりの料理、野祭のみポトフを食べた。

「う…うまい!」凄くうめぇ!野菜のだしをちゃんと出しててそこに味が染み込んでてうめぇ!

「このポトフ美味しいです!」と俺はグリロに言った「そりゃあ良かったぜ!」と笑いながら言った

「こら…メポ…ちゃんとサラダ、食べて」「えー、野菜嫌い〜!」「全く、メポ口を開けろ」「やだ!ガリア、野菜食わせないで〜!」

「じゃあ、サラダ食べたらメポ、今日私と一緒に寝ていいよ…」「アベリアじょーと寝れるなら食べる!」という仲が良い話をしている。

仲がいいな…この家族は俺は……

___浩文へ、また夕飯電子レンジでやっておいてまた遅いから__はぁ…本当に___

またいやな事を思い下を向いた時だった

「たぬきさん、たぬきさんも一緒に今日寝ない?…」「ぽんすけも来るならもっとサラダ食べるです!」と俺に話しかけた。

「あ、うん…ありがとう、そうするよ」と俺は下を向いていたが少し微笑んだ

それから数時間後…

「ぷはぁ!なぁたぬきよぉこいつ実は夜に小便したい時に一人じゃ怖いとか言うんだ」「あれは怖いんだよ兄さん」

「へぇ〜怖いんですねまさか幽霊とかは?」「前に幽霊が出た話を聞いたらずっと寝てなかった…」「あっ私も聞いた!聞いた!」「おい…まぁ怖いよ」と笑いながら話した。

なんか…初めてだな…こうやってみんなで食いながら話すのは。

俺の中にあった胸にぽかんと空いた気持ち…その気持ちがなんかわかった気がした。

こうやって家族のように団らんとして話し合う…

それができてなかった。

でも今こうして、家族ではないけれど

ジョイディス家と一緒に団らんとしている

みんな俺を家族だとジョイディス家の一員と思って接してくれているそれが、今の俺には温かった

その時…俺の中の空いていた

ぽかんとあった穴のような気持ちは

塞がったような気がした…

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転生たぬき ホタテボッチ @Po_te_1man

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