(ちょこっと短い話)…ウソでしょ?「使用済みのアレ」が、アレに転生するとは!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 新卒男子よ、萌えろ!とある新卒男子が、地区の子どもから、プレゼントの箱をもらった。箱の中身は、「使用済みのアレ」でした。

 とある新卒男子が、地区の子どもから、プレゼントの箱をもらった。

 箱の中が、問題だ。

 「使用済みのコンドーム」が、入っていた。

 地区の会っていう子どもグループに入っている、リアムちゃんという子からのプレゼント。

 キラキラネームは、新卒事件な香り。

 「やったあ!休めるぞ…」

 今日は、せっかくの、休日だったのに。

 ああ…。

 いろんな世代を裏切って新卒入社を果たした会社の、休日。新卒世代のドキドキが、止まらない。

 地区の会に遊びにいったのは、何かをもらえると聞いたから。

 「努力することなく、だれかに何かがもらえる」とは、素晴らしすぎる!新卒世代には、そういう生活が、良く似合っているだろう。

 新卒世代は、輝く!

 プレゼントの箱を渡すとき、女の子は、言っていたっけ。

 「日本の、ほんとうのがんばやりやさんたちをうらぎってきた、お兄さんたち?おめでとう!異世界に、転生してね!」

 異世界に転生してね、か…。

 じゃあ、何か?

 「新卒世代は早く死ね」って、いうのか? しばらく、プレゼントの箱の中を見つめていた、彼。「使用済みのコンドーム」は、何も言わなかった。

 地区の会では、また、子どもたちに話しかけられ。

 「おにいさん?」

 「…」

 「ねえ、おにいさん?」

 「え?あ、はい?」

 「新卒って、どんなきもちで、いきているの?」

 「いつ、いなくなってくれるの?」

 「え、え?」

 「うまく、そだててね?」

 「育てる?これを?」

 「そうだよ?」

 「これを…?」

 おい、おい。

 どういうことか!

 女の子にもらった箱が、植物を入れて育てる鉢に変わってしまった!

 「がんばってね?」

 …はあ?

 「がんばってね?」それって、鉢を使う新卒に言っているのか?「使用済みのコンドーム」を使う新卒に向けて、言っているのか?

 子どもたちの言葉が、忘れられなかった。

 「上手く、育ててね?」

 どういう意味の言葉、だったんだ?

 わからない。

 わからない。

 どうすればわかるのかすら、わからない。 何がわからないのかも、わからなくなっていく。考えて、考えて、努力をして生きてこなかったツケ。

 過保護病。

 「…ああ、ダメかも」

 すぐに、弱音を吐く。努力のできないやつの、特徴。

 過保護病。

 「そうだ、 SNSで聞けば良んじゃね?」

 結局、そこ。

 そのときだ。

 「おい。お前…」

 彼の心に、野太い声が、響きはじめた!

 「だ、誰?僕の、友だち?会社に隠れている、秘密のミラクル?友だち、友だち…」

 本当のミラクルが起きるのは、たいてい、そうつぶやいたとき。

 「じゃあ、今から俺が、お前の友だちになってやるよ」

 「え、何?」

 鉢の中から、声が響く!

 「俺は、コンドームの悪魔だ」

 「…何だと?」

 「コンドームの悪魔だと?」

 な、な!

 こんなのは、やっぱり、異世界だろ。

 使用済みコンドームが入っていた箱は、いつの間にか、植物の鉢植えに変わっていた。

 両手でかかえるほどに大きいその鉢植えの中には、土が、敷きつめられていた。

 何かの植物が、その土の中で、今、育っているのか?鉢植えは、ご飯のつまった炊飯ジャーくらいの大きさと重さ。

 「いくつもの謎が!たまらなくなってきたぞ!俺は、新卒ー!」






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