南宮愛奈(なんぐう あいな)の日記 終
●五月二十日
今日、ようやく退院しましたの。
一ヶ月以上前、私は近くの神社の境内で倒れていたらしいんですの。
折れた桜の枝の下敷きになって意識不明に陥っていたらしいですわ。
どうして神社に行ったのかと思って、日記帳を読み返してみても全然分かりませんの。
私が覚えているのは、流香さんたちとテケテケを探していた時までですの。
それから後の事は全然覚えていないんですの。
あの女性で誰ですの?
救急車って何ですの?
サイレンって何なんですの?
傘ってなんですの?
それに、私、こんな日記書いた覚えがないんですの。
これを書いたのは誰?
でも、これは私の字ですわ。
どういう事なのかしら?
私がこの日記を書いていたのかしら?
全然分からないわ。
私、頭がおかしくなっていたのかもしれませんわ。
もう日記なんて書かない方がいいかもしれませんわね。
またこんなにもおかしな事を書いてしまうかもしれませんから……。
桜の樹の下には怪談が埋まっている 佐久間零式改 @sakunyazero
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