第27話 ズゴ男爵と500のゾンビ級

 1500の従者兵には無理の無い走りで着いて来るよう命じ、超人兵2000と走って来たが、超人兵も想像以上に走るのが遅い。

「この兵達、本当に超人になってる?」

「軍隊が隊列を組んでの進軍はこんなものですよ」

「個人で走らせると、私達と変わらない速度ではしります」


 ミスダ町に夕方になってやっと到着しました。

 従者兵達は休憩させながら走って来るので、5日程で到着なら速い方だ、ミラノミスダ間は馬車で5日と聞いた。

 海岸沿いの曲がりくねった道で、山道まである整備が行き届いていない道で直線距離なら100㎞程しか無いでしょう。


 ミスダ町の防壁上は通路になっていて、防壁上から辺りの監視が出来るようなっています。

 夕日は西の海に沈み辺りは薄暗くなって居ますが、防壁上の人物を僕達は判別出来ました。


「コムラにムト!監視ご苦労」

「おっ!アラン様ですか?物凄い大人数ですね、少し不安を感じ監視して居ります!おーい!デオにルイス開門!」


 門が開き僕達が入ろうとした時コムラが叫びました。

「バンパイアが多数接近中!数は凡そ500!!」

「デオにルイス、閉門!!僕達でバンパイアに対処する」

 閉まり掛けの門から誰か飛び出て来ます。

「アラン様、儂らもバンパイアの相手させて下され!」

「モンじい、元気そうだね」

「アラン様、うちらも元気だよ!」

「フデバアにスエバアも元気そうだね」



 偉そうな声が辺りに響きました。

「成る程、ズレを殺したのは貴様達のようだな、不穏分子の芽を摘むとするか!我はコズラ侯爵様の腹心ズゴ男爵である!騎士爵程度を殺し、いい気になって居る人間ども!所詮は我らの食い物!己の立場を思い知れ!者共食い散らせ!!」


「ズゴ男爵?聞いた事の無い名だ!名の通りズゴっとずっ転けろ!!ヘンリー大隊長、サンダー大隊長!ゴミを殲滅せよ!!」


 あ~あ、僕が格好着けてるのに、号令待たずモンじい達3ジジババが飛び出してる。

 チョッと剣技カンミから習っただけなのに、じじばば隊が進んだ所はゾンビ級が消滅して道が出来てる。


 軍隊と言うのは動きが悪い、僕の命令を受けヘンリー大隊長とサンダー大隊長が配下の兵に号令を出し、各100人中隊長が指示を出し各10人小隊長が隊員を引き連れゾンビ級に向かった頃には、じじばば隊が殆どのゾンビ級を蹴散らし消滅させて居ました。


「恐ろしく強い3人!人間どもの主戦力と見た!バンパイアに仇なす者!我が成敗してくれる!」

 モンじいが返事しながら斬りかかってる。

「儂はモンジイ!吸血鬼ハンターの下ッパじゃが、じじばば隊三位一体さんみいったいの剣技受けてみよ!」


 モンジイが名前だったの?

 三位一体と言いながら、モンジイ一人でズゴ男爵の首を切り落としていました。

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僕はバンパイアなんだけど、吸血鬼ハンター始めました 犬時保志 @ysxyz

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