食べ物で遊ぶのはよくないけれど、〝本気〟ならいいってものでもない

 チョコレートを手作りする女子生徒と、偶然それを目撃してしまった男性教師のお話。

 おおよそタイトル(および作品紹介文)の通りの、現代もの掌編です。
 なんならホラーでもいいのでは、と思ってしまうくらいには「うわーっ嫌!」ってなっちゃうところが素敵。

 愛が強すぎるあまり、体の一部や体から排出されたものを、手作りのお菓子の中に混ぜちゃう人。
 食べ物でそういうことをするのはあんまりよくない……と思うのですけれど、なんか現実にまったくない話というわけでもないらしい、というのが余計に怖い。

 主人公が好きです。最初から最後まで少女に圧倒されっぱなしの成人男性。
 強気な少女の側も素敵ですけど、まんまとやられる彼の〝主人公らしさ〟のようなものがとても好き。
 わかりやすいおぞましさが魅力的なお話でした。