最期の詩歌

止まぬ雨

轟く雷鳴

友も亡く

父母の手紙もなく

敢闘を誓った吾らも既になし


吾らには何もない


こんなくだらぬ島嶼にて

雑魚寝の土に

流るる水は重く

熱に浮かされる吾に死を告げる



嗚呼

吾らに明日はなし

せめて自らと

震える生温い手榴弾

誰もが握った

呪わしく歪んだ


嗚呼

吾らに明日はなし


雷管を叩く音

吾らの呻吟を貫く

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残滓 赤石 奏 @korutosousobieto

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