Angel's Feather

Eternal-Heart

死の天使に抱かれて

最期の瞬間

人は死の天使に抱かれ

天に舞い上がるのだ



きらめく輝きの粒子が舞い

暗闇の底に 天から差す一筋の光


美しいのか

懐かしいのか

切望し続けた 微笑みに抱かれる



甘い唇に

温かな腕

柔らかな香り

滑らかな ぬくもりの肌



ただこれだけが欲しかった

他には何もいらなかった



もう大丈夫


もう 何も心配しなくていい

もう 何も恐れなくていい

もう 何も怯えなくていい

もう 何も悔やまなくていい


全てを手放しても 良いのよ

全て置いて行って 良いのよ

全てを忘れて 良いのよ

全てから開放されて 良いのよ

全てを安心に委ねて 良いのよ



楽園から地上に叩き落された

長かった

あまりにも長すぎた

それを人は人生と呼んだ

俺は そんなもの欲しくなかった



もう良いんだ

もう大丈夫なんだ


もう 何も心配しなくていいんだ

もう 何も恐れなくていいんだ

もう 何も怯えなくていいんだ

もう 何も悔やまなくていいんだ

もう 全てを手放していいんだ




死の天使の微笑み


君とは いつかどこかで 出会った気がする

覚えてもいない 懐かしく甘い記憶が蘇る


君の腕の温もりに 身を委ねる

君の胸の柔らかさに 身をに委ねる

君の香りに 身を委ねる

君の甘い唇に 魂を委ねる



全ての重力から 開放された



「もう良いんだ」



ダイヤモンドダストのような

許しの輝きに

身を委ね 俺は天に舞った

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