第7話

紗栄子が携帯電話を出した時、紗栄子の携帯電話が鳴り出した”ピィロロ〜ン“「あっ、ケイコから電話だわ、ちょっと待ってね。ケイコ元気どうしたの、“どうしたのじゃないわよ、元気が出てきたみたいね。この前からの紗栄子の精神状態が心配だったのよ。しょっちゅう死にたいだとか元気がなかったから皆心配だったのよ”エッそうだっけ········」

親友のケイコさんから心配しての電話のようだった。

三つ子が泣きそうな顔をして「「「お父さんごめんなさい、どうしようバレちゃった」」」

「大丈夫だ」そう言って三つ子の頭を撫でてから、紗栄子に聞こえないように「幽霊のことは今度からラインじゃなく電話で話ししてな、幽霊の事を書いたラインは今すぐ消してな」

三つ子はホッとしたようにニコッとして「「「うん、分かった」」」そう言ってラインを消すのだった。

「しかし、お父さんでさえ知らない写真の転送をよく知っていたな。」

「「「うん、看護婦のお姉さんも同じ携帯電話を持っていたから教えてもらったの、この人だよ」」」そう言って携帯電話の写真を見せてくる。

電話を終えた紗栄子が三つ子の携帯電話を取り、「あら、きれいな人ね。よくここに来る看護婦さんね後でお礼を言っておくね。じゃラインの登録をしておくね。」と自分の携帯電話の電話番号も入れて、自分の携帯電話にも三つ子の携帯電話の電話番号を入れるのだった。抜け目なく何時でもラインを使えるようにしておくのだった。

満足そうな紗栄子であった。

勉強を始めたので「じゃ、勉強頑張ってなまたな」そう言って手を振って病室を出てスーパーで弁当を買って家で一人寂しく、食べるのだった。

2週間ほど普通に生活をして三つ子の子とは朝晩に挨拶のラインでのやり取りだけであった。

紗栄子は家に帰ってからも三つ子と忙しなく三つ子とラインのやり取りをやっているようだ。昨日は夜中にラインで”ケイちゃんという友達ができた“と教えてくれた。

次の日、病室で勉強を教えていた紗栄子も昨日ラインで言っていた友達の話を聞く。

三つ子からケイちゃんという友達の事を聞く

「ケイちゃんて、ここの病院に入院している子なの、何号室の子?、名前は?」

「「「あのね!同じ年の子でサヤマケイコっていうの、ケイちゃんて呼んでいるの。あーケイちゃん遊びに来たよ。」」」そう言って閉ざされた出入り口を指差すのだが紗栄子には、見えないしドアが開いた音もしなかった。

「えっ!どこ誰もいないけど」

「「「ホラこの子だよ」」」そう言って携帯電話のカメラモードに映るのを見せてくる。

紗栄子はそれを見て出入り口と携帯電話を交互に見て「キャーア」そう言って持っていたバッグを出入り口に投げつけるのだった。

三つ子の所に行き切羽詰まったかのように「駄目よ、その子は生きてないの、幽霊と友達になっちゃ駄目よ。命を吸われるの、正気を吸われてあなた達も死んでしまうから絶対に遊んではダメ、いい分かった。約束よ。普通の人にはその子は見えないの、幽霊と付き合っては駄目よ。いいわネお母さんと約束よ。」

三つ子が「「「でも、悪い子じゃないよ。」」」

「駄目よ、絶対に駄目だからね。お母さんの言うことを聞きなさい」

「「「うん、分かった」」」

お母さんの真剣な表情にホントのことを言っていると思った三つ子だがやっと出来た友達だったのでガッカリしている。

紗栄子はどうすれば三つ子を守ることができるか考えて、優也に電話を入れるのだった。

「あなた、大変なことになったの、今すぐ病院に来てこの子達が幽霊に取り憑かれているようなの。私は今すぐにお寺に行って厄除けの御札をもらってくるからそれまで、この子達のそばにいてほしいの」

切羽詰まった紗栄子の電話に「分かった今すぐ行くから」と答えて病院へと向かう。

病室に入るとベットの上に三つ子を抱えたままの紗栄子がいて「ここをお願いね、私が戻ってくるまで絶対に三つ子から離れないようにね。」

「分かった、ここは任せておけ。」

紗栄子は、ホッとして交代で病室を出て行く。

三つ子に聞いてみる「その、ケイちゃんはまだここに居るのか?」

「「「うん、壁際にいて、悲しそうな顔してうつ向いているの。お父さんケイちゃん悪い子じゃ無いの助けられないかな?」」」

「その子は、最近亡くなったのかな?帰るところがないのかな?」

「「「うん、5日前に亡くなったみたい。この階の318号室に居たけどいつの間にか家族が居なくなって、一人ぼっちになったらしいの、」」」

「分かった、きっと家族が心配していると思うから看護婦さんにちょっと話を聞いてくるな。」

病室を出て看護婦のところへ行き話を聞くと318号室にサヤマケイコという子供が確かにいて、亡くなっているらしいが、2年も前の事だという。その家族は引っ越しして今は何処にいるか分からないという。

病室へ戻る途中考える。三つ子の友達を半ば強制的にあの世へ送るよりは、サヤマケイコの親族の霊に迎えに来てもらったほうがサヤマケイコも嬉しいはずだし三つ子も納得するはずである。

病室に入り、三つ子に「ケイちゃんは今どこにいるかな?」

「「「そこに居るよ」」」

「じゃ、今からケイちゃんとお話するけど、お父さんには見えないし声も聞こえないからお前達ケイちゃんが喋っていることを教えてな。」

「「「うん、分かった」」」

「ケイちゃん、ケイちゃんの家族やご先祖様がケイちゃんを探していると思うんだ。亡くなった人、誰でもいいから、例えばおじいちゃんやおばあちゃんが亡くなっていたら、誰でもいいから思い出して迎えに来てほしいとお願いしながら上を見てご覧。」そう言って上を指差す。

三つ子が「「「アアッ、上から眩しい光がケイちゃんに当たっている。アアッ、ケイちゃんが光に包まれて上に登っていくよ。お父さん、ケイちゃんがお父さんに、“ありがとう”だっておじいちゃんが迎えに来たらしいよ。」」」そう言って宙を見る三つ子が嬉しそうに手を振り「「「ケイちゃん、バイバイ」」」とニコニコして、「「「お父さんありがとう。ケイちゃん天国に行けるかな。」」」

「ああ、きっと天国で幸せになるよ。このことはお母さんには内緒な。」

「「「うん、分かったお母さんには言わない内緒ね。エヘヘへ」」」

5時間ほど三つ子と楽しく話をしていると紗栄子が息を切らして入って来た。手には厄除けの御札が沢山握られている。

「良かった。もう大丈夫だからね」そう言って厄除けの御札を病室中にベタベタ貼っていく。ドアや壁や窓や天井まで貼っていくので、

「もうケイちゃんという幽霊は居なくなったから大丈夫だから」と言うが聞いてくれない。

「何言ってるの、この子達があなたは可愛くないの、可哀想じゃないの、心配じゃないの」少しキレ気味に言うので黙るしかなかった。

その時、検診に来たあの五月蝿い看護婦が厄除けの御札が部屋中貼ってあるのを見て、

「あなた、ここをどこだと思っているんですか。皆んなが来る病院ですよ。変な噂が立ったらどうしてくれるんですか。直ぐに全部はがしなさい。」と怒られる紗栄子であった。

可愛そうだし、厄除けの御札が有ったほうが、良いと思うので、紗栄子から3枚もらい、ベットの下側、椅子の裏側、ノートに貼って紗栄子には納得してもらったのだった。

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三つ子の魂100まで やんばらぁ尾熱 @onetsuraita

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