第2話 あたらしい利用者さんがやってきた
私の出勤日は月に半分しかない。
私の職業は何かというと、なにかと低所得者の希望の星に上げられがちな介護士である。
介護士と言っても色々あり訪問介護、デイケア、グループホームなど、様々だ。
私はその中のグループホームに属している。
うちの施設は2階建てとなっており、一フロアに9人の利用者様が滞在されている。2階には食事やゆっくりされる大広間があり、あとはKさんが事務仕事をする小さな机やお風呂、があるだけの小さな施設だ。
利用者さんは年に8人くらい入れ替わるのだが、つい最近新しい利用者様が入居された。
詳しくは国家機密なので言えないのだか、50代にしてご病気でうちにやっかいになったのた。
その方のお風呂は先輩たちがやってくださるので、僕がやることは配膳とおむつ交換、声をかけながらにこやかな声で、Sさん、おむつ交換させていただきますねっとやらさせていただく。おむつ交換には協力的で非常にありがたい方なのだが、一つだけ大きな欠点があるのだ。
「Sさん、ありがとうございました。おむつ交換終わりましたよ!」
そしたら彼女は決まって手を払うのだ。
はえを払うように
ゴーホームもう要はない帰れと
私の脳内の富士山はここで大噴火である。フッざけんなよお前175センチ92キロのボディープレス食らわせたあとに、お前のおむつその鼻に押し付けてやろうか?!という言葉が脳内を雷のごとく響き渡ると同時に100発ビンタである
頭の中で
しかし、私介護士であり、門前といえど(仏教徒がお寺に入ってない、お坊さんじゃないという意味)仏様を信じ奉る人間である。
仏様は腹をすかした虎に命を捧げ虎の飢えをいやし、介護士の先輩たちはずーとこういう仕打ちに耐えてきたのである!
私ごとき矮小の見なれどここで怒るわけには行かないのである。むしろ愛さないといけないのである!
私の脳内はすぐに切り替わり、ビリーブが流れ始めるのだ
例えば君が〜傷ついて〜泣き出しそうになったときは〜
そのかん1秒である
落ち着いた私はいつも通りのにこやかな笑顔で失礼いたしますというと、そこを去るのである
そして帰って、仏様私はまだまだでございますと思いながら、座禅をくむのである
今日も機能より優しくなれることを信じて、精進精進である
ここまで読んでいただきありがとうございました。
統合失調症の独り言 ケンタ @kennta1
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