カラスに難儀するゴミ収集係のお話です。嫌になりますが、有り難い。
読んだのが朝で、よかった。そして、いろいろ、考えさせられる。しかし、すいすいと引き込まれるように読めます。
ある地域の道路は、常に生ゴミが散乱し、悪臭を放っている。 それは夥しいカラス達が袋をついばんで中身を引っ張り出すからであった。 主人公と先輩はゴミ処理係として片付けに乗り出すのだが…… 舞台設定から、【現象】の発生、その影響までが滑らかに描かれている作品となります。 この滑らかさをなんと説明すべきか。 背後にぬるりとやってきて、違和感に気付いた頃には傷がついていて、半ば呆然としたまま、中へと取り込まれていくような…… どんなことにも意味はある。 願わくば、その理由を身を以て知らずに済むことを。