その弐、「家を追い出された」

呆然とする私の前で爺さんは呑気に空を見上げた



「金拘念束<魏の術>不欄広郭」



爺さんがそう唱えると赤髪の少年が吹っ飛び広い庭の端にある石垣に叩きつけられた

私も何回もこの技でやられたなぁ

結構痛いんだよね、コレ

私も最初は死ぬほど痛かったけど陰陽師としての人間離れした訓練を受けることで今は痛みも感じないなぁ



「ぐっぇっふ」



少年は吐血し始める

案外弱いのかな

まあこの程度なら二級準ってとこかな



「お祖父様、片付けますか?」



「ホッホッホ、焦りは禁物じゃ、邦光」



「ハッ」



まるでこれ祖父と孫の会話ではなく主と配下の会話だな

少年は虚ろな目をしながら爺さんを見た



「そうじゃ邦光、そなたのペアが此奴、舞啓宿痾(ぶけいすくあ)だ、確か階級は二級準だったかのぅ、お主とは階級が釣り合わんが仲良くできるだろう」



爺さんは謎に荷物をまとめながら気楽に笑う

うざったいの、爺さん

爺さんは西の方向にある門を指してニカッと笑った



「じゃあお主らは一週間修行の旅へ出ておれ、ほらその門を潜ると

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陰陽師妖怪奇譚〜最強までの道〜 ちーずけーき @04110411

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