第3話






 要するにだ、一々行列に並ばなくったっていいのだ。

 コスパだのタイパだのを考えればそんな労力は無駄だった。

 金がある所を見つけるだけでいいのだから。

 リストさえあればあとは簡単だった。

 

 

「居ました、確かに売りに来てます」



「じゃあいつも通りで、よろしく」



 転売ヤ―のリストが出来てしまえば後は狩るだけである。

 流石に店に手を出すよりは安全だし、所詮は個人である。

 こっちは組織で動いているのだから負ける要素がないし、小金だろうとも必ず

 持っている事は分かっているのだから確実だった。

 

 

 そもそもこっちには後ろ盾があるから安心だ。

 

 

「金田、そろそろ新しいのを見つけないとヤバいぞ」



「嗚呼、それは分かってるが……どうする? 」



「まあな、確かにあいつ等は狙い目だとは思うよ。どう考えても持ってるからな。

 でもあいつ等はすぐに群れるからな。そういうのは結構分かってるよな、外から

 来てるから感覚が違うんだろうなやっぱり」

 

 

 まあ育った環境の所為かもしれないが、無駄に鼻が利く。

 とは言え、人の国でやりたい放題されるのもいい気はしないのだ。

 そういう感覚がどうしてもある。でもそこに手を出すとどうなるのかが不安では

 あるのだ。残念なことに後ろ盾が役に立つのかが不明なのだ。

 

 

「やろう、どうしたってこのままじゃあじり貧だしな」



 それでもやらないよりはやった方がいいのだ。

 よく言うじゃないか、やらない後悔よりもやって後悔した方が良いって。

 意味はよく分からないけど、きっとそういう事なのだ。

 


「分かった、そうしよう」



 要はうだうだ言ってないでさっさとやれって事だろう。

 


「嗚呼、革命だ」



 こうして俺達の革命が始まったのだ。

 










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転売革命2.0 奈良ひかる @nrhkr278

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