待て、しかして希望せよ——。運命の二人が結ばれるまでの物語

主人公ルシーナは有能な占い師。魔法のカードで未来を予知する力を持っています。ところが悪しき聖女に目をつけられ、断頭台におくられ、過去へタイムリープします。

——そう聞くと、よくある「やり直し物語」と思われるかもしれません。いやいやとんでもない。この作品は予測不能のジェットコースターロマンスです。どうぞ展開を楽しんでください。

物語はルシーナが青年リビファスと出会う場面から始まります。リビファスこそが、ルシーナが過去に戻るたびに繰り返し愛し合う、運命の相手でした。

でも二人はすんなりとは結ばれません。すれちがいのもどかしさが丁寧に描かれます。読者としてはジレつつも、ルシーナとリビファスにモンテクリスト伯の言葉をおくりたいですね。待て、しかして希望せよ、と。

作者の遊井そわ香さんは、小説「王子様の恋人になるお仕事はじめました」が最近コミカライズされた注目の書き手です。こちらも要チェックですよ。

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