第45話
【はしがき】
新作情報
『学生結婚したら、周りの美少女達が全員寝取り(NTR)属性だった件。』
「俺は予定ないし大丈夫だけど。茜はどう?」
彩美の提案を受け、俺は茜に話を振った。
昨日なんとなく一緒に勉強したいみたいな話は聞いていたけどまさか昨日の今日とは……彩美ほんとに寂しかったのかな。
「私も今日は何もないよ。てか何かあっても空けるし。だって久しぶりの彩美だもん!」
「ちょ、なによそれ。予定があったらそっち優先してくれていいんだからね?」
「あれ、まさかちょっと照れてます?彩美さん照れてますー?」
「違う!茜うるさい!ほら早く教室行くわよ」
「はーい」
茜のいじりに若干、照れた仕草を見せながら彩美は俺たちの先頭を歩き始めた。
「楽しみだね。今日の放課後」
「だな」
そして、俺と茜も顔を合わせ、笑い合うとその後を追った。
***
「ほら、ここをこうすればこの式に綺麗に代入できるでしょ?」
「ほんとだ……やっぱ彩美って天才だわ」
「これくらい授業聞いてれば当たり前よ。ほら次の問題行くわよ」
「はーい」
放課後になり、俺たちはいつものファミレスにいた。
3人でファミリーシートに腰掛け、おのおの勉強道具を取り出したところまでは良かったが、案の定、茜の集中力はほとんど持たなかった。
なので今は、マンツーマンで彩美が茜についている状態だ。
「これは昨日の授業中にやった問題よ。分かる?」
「え?こんなのやってないよ。なんでSみたいなのの上と下に数字書いてあるの?」
「……茜、これはインテグラルって言うの。さっき説明したでしょ。何回も言わせないで」
「あれ、そうだっけ」
これ側から見たら、勉強が出来ない子に出来る子が教えてる構図なんだけど実際は、違うんだよな。
実際は「勉強が出来ない子」と「出来ないけど必死に努力して誤魔化せてる子」の組み合わせ。
なんかそう考えると少し面白く感じてくる。
「あれー?ヨッシーこっち見てどうしたの?混ざりたいの?」
「いやいやなんか面白いなーと思って」
「面白い?なにが?」
「え、この構図が……いや何でもないです」
彩美がすっごい目で俺を睨んでるのに気づいて、途中で口を噤む。
別に彩美のことを言うつもりは無かったけど、少しでも匂わせたらダメなのか。
てか察するの早すぎるだろ。
「あ、そうそう。話変わるけど彩美って進路のこと考えてる?」
「進路?珍しいわね。茜からそんな話題が出るなんて」
「いやー朝ヨッシーと少し話したんだよね。私、彩美と同じ大学行きたいから彩美にも聞いときたいなって」
「あーそういうことね」
彩美は、茜の質問を受けスマホを手に取った。
そして手際よく操作し、茜の方に画面を向けた。
「今狙ってるのはここの推薦ね。就職も結構良いみたいだし、それなりに都会だからいいと思って」
「ほえー。どれどれ……え、偏差値65?無理でしょ」
彩美が提示したのは、都内でも有名な私立大学だ。
それなりの伝統と知名度があり、なんか彩美らしい選択だなと思える。
「茜は無理でも私は行くわよ?一緒のところに行きたいなら頑張りなさいな」
「うーん、ちょっと諦めよっかな」
「いやいやまだあと一年あるから。推薦は無理でも一般入試ならまだ間に合うわよ」
「えええ。だって偏差値あと20以上上げないといけないんだよ?私一年間缶詰じゃんかー」
「大丈夫よ。別に1人で缶詰になるわけじゃないんだし。ねえ京弥?」
「……え、俺もなの?」
「え、違うの?」
彩美は揶揄うような目で俺にそう投げかけた。
さっきの仕返しだろうけど、俺、そんな高いところ目指す気ないんだよな。
「さすがに無理だよ。俺はそれよりもだいぶ下のところ目指すから2人で頑張ってくれ」
「あら残念。私は推薦で早く決めるから茜1人で頑張って」
「えええええ、それはないって。ヨッシーがんばろ?ねえがんばろうよー」
「1人で頑張れ。茜」
「うわあああ、ヨッシーが冷たいー」
不貞腐れた茜を見ながら、俺は彩美の方に目を向けた。
大学に入ると、いやでも今までの関係は維持出来なくなる。
それまでに決着をつけないといけないんだろうか。
色々なことに。
ほとんどの悩みや問題は解決しないって言うけど、これだけはどんな手を使っても解決しないといけないように思えた。
【あとがき】
読んでいただきありがとうございます。
はしがきでも書きましたが、新作を上げています。
『学生結婚したら、周りの美少女達が全員寝取り(NTR)属性だった件。』です。
色々な作品を乱発していますが、御付き合いいただけると嬉しいです。
また、更新の励みになりますのでいいね&コメントをお願いします!
優等生なS級美少女の裏アカを見つけた結果、俺にだけマジでワガママな素顔を見せるようになった件。 海の家 @umisas
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