第3話 冒険者協会


「失礼しまーす…」


何故か全員の視線が俺の方へ向く。


「ハッハー!やっぱガルグさんが話してたやつはイケメンだったか!」


「くそぉぉぉ!!いかついおっさんだと思ったのに!」

「俺の50000Gがぁぁぁぁ!!!」

「ふざけんなよぉぉ!!」


賑やかだなぁここ。ってか俺で賭けをしないでくれよ…


「あ、お姉さん、冒険者登録ってできます?」


「え、あ、はい!できますよ!」

なんか顔が赤いぞ。あーこれあれだ!

ツラがいいから見惚れてるやつだ!

いやぁー俺の性癖を詰め込んだのは間違ってなかったか!事実イケメンだしな!これが俺の見た目だったら素直に喜べたんだがなぁ…


「この水晶に手を当てるとランクが反映されます。レベルやスキルなどによってランクは決まりますが冒険者協会側にスキルなどの情報は残りませんのでご安心ください」


マジ?情報残らないのはありがたい。

前世で〇〇の中の人は!?みたいな情報が出回ってたしなんならどっから漏れた!?みたいな情報すら出てた。


「冒険者ランクは上からX、SSS、SS、S、A、B、C、D、Eとなります。SS以上になると国からの依頼などが来るようになります」


「ちなみにさっきいたガルグさんのランクってお聞きしても?」


「ガルグさんはこの国に三人しかいないXランクの冒険者です。ほぼ生きる伝説のような物ですね!」


あの人やっば。俺より絶対強いじゃん。

てかどうやったらそこまで強くなれるんだよ。まだ40前半くらいだったぞ?


「この国は建国してから500年、冒険者協会ができて300年ですがXランクは今まで十人しかいません。今この時代に三人もXランクがいることはほぼ奇跡と言っても良いでしょう」


今まで十人しかいなかったのにこの時代に一気に三人?もうそれ過剰戦力じゃん。

戦争とか起きても絶対負けないじゃん。


(アナウンス:事実建国して500年の間敗戦は一度しかしておりません。まだ若い国がここまで大国になっているのはほぼ負け無しだからでしょう)


敗戦一回!?逆にどこに一回負けたんだよ。

(アナウンス:人間至上主義で有名な聖国、アルヴァーンです。その時代はまだ王都カリヴァールは発展しておらず小国も小国だったところを攻められたのです)


アナウンスさんこの世界の事どこまで知ってるの?怖いんだけど


(アナウンス:神との契約に反するので答えられません)

この人…人?分からないけど神との契約とか言った?ヤバー(棒)


「では、この水晶に手を当てて十秒ほどお待ちください」


「はーい」

十秒でできるんだなぁ…すげぇ水晶だな。

「お姉さーん、終わりましたー」


「はい、SSですか!?すごい才能をお持ちなんですね!」

まぁそりゃ初期状態から上から三番目なら驚くか

「おい坊主」

お、これあれか?絡まれるやつか。

『お前みたいなやつがそんなわけがねぇ!』みたいな?


「はい、どうされました?」


「坊主すげぇな!SSランクか!向こうで酒でも飲みながら話そうぜ!」


あ、全然違いました。いい人そうですねはい。


「冒険者協会は一応酒場にもなっててな。依頼終わりに飯を食ったりできるようになってるんだ。あ、俺の名前はガイランな。敬語はいらん」


「よろしく、ガイラン。なんかおすすめの料理とかある?」


「…………!!!」


やべっ、やっぱ言われたからって最初からタメ語はヤバかったか??


ガイランの方を向くとなんか泣いてるぅ!?何故だ!?


「あー、ガイランさんな、顔怖すぎてみんなから怖がられてんだよ。タメ語で話すやつなんてほぼいないわけ」


「他のやつと仲良くしようとするとよぉ…なんかみんな避けていくしさぁ…?そんな俺怖いのか…?」


「怖くない怖くない!怖くないから泣き止んで!?」


こんな厳ついおっちゃんが大泣きしてるところ見たくねぇよ!


「ごめん姉ちゃん!酒二つ!」


「はーい。エール二つですねー。おまけでおつまみつけときますねー」


「酒も頼んだ所で…なぁ、コールドはどこから来たんだ?」


「あーそこら辺は秘密。今はただの放浪者だよ」

転生してきたなんて口が裂けても言えぬ

「酒頼んじまったが成人済みか?」

前世の年齢で良いんだよな?

「一応成人はしてるから飲めるよ」


「じゃあ飲め飲め!ほれ一気!一気!」

大学の浅いノリみたいなのやめろ!飲むけど!


酒を飲みながらガイランと色々と話し合った。

ただ酔いすぎて俺が介抱した挙げ句俺に嘔吐したのだけは許さんがな…



◆◆◆◆◆◆



ガイランと酒を飲んだ次の日。初めて依頼を受けるため俺は再び冒険者協会に訪れていた。


「コールドさん、クエストを受けに来られたのですか?」


「はい、なんか良いクエストあったりします?」


「えーとSSランクなら…あぁありました。国からの任意依頼なのですが、受ける方がいらっしゃらなくて…」


「どんなクエストなんですか?」


「獄炎獣が多くいる燃歩の山というところがありまして、名の通り一歩踏み入ると耐性がない方は燃えてしまうほど温度の高い山なんですが…」


怖!?俺は氷のおかげで耐性あるから良いけど一歩入ったら燃えて死ぬってことでしょ!?物騒だよ異世界!!


「何か問題があるんですか?」 


「クエスト内容は奥深くに、霊薬と呼ばれる薬を作るための紅涙草というものを採取してくるというものなのですが、ここからかなり距離がある上に国から指定が入るほどの強さのモンスターばかりでして…」


是非取ってきてほしいけど割に合わなすぎてクエストを受けない冒険者が多いってわけね。

まぁ俺なら結構早めに行けるだろうし、初クエストとして行ってみるか。


「じゃあそれ行きます!!」


「良いのですか!?ありがとうございます!!」


そうして俺は燃歩の山というやべぇとこに向かうことが決まった。


クエスト内容

『燃歩の山の奥に生息している紅涙草というものを採取してきてもらいたい。報酬は後払いにはなるが良いものを用意させていただく』





















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

VTuberのガワの状態で転生した俺、何故か設定も引き継いでて絶対零度で最強に 熊の手 @kuma_2028

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ