第2話 王都カリヴァールにて


さてさて、今の俺どうなってるか分かる人いる?いないよね!

屋台のおっちゃんやおばちゃんの誘惑に負けて食べ物を大量に持ち歩いております。

牛串でお腹一杯になったしアイテムボックスに入れとこ。


牛串美味かったなー。帰りにまだおっちゃんいたら大量に買っとこ。いやもう今行っちゃうか。

そういや警備の兄ちゃんが冒険者がなんたらって言ってたな。

行ってみるか!その前に牛串のおっちゃんよ。行きたいところが多すぎる!


「おっちゃーん」


「お、さっきの兄ちゃんじゃねぇか。どうしたんだ?」

すぐに俺と気づいて手を降ってくれる。


「牛串食べ終わったから大量に買い込んどこうかと」


「日持ちはしないぞ?」

そこら辺はアイテムボックスあるから無問題モーマンタイ

「大丈夫大丈夫。アイテムボックスあるから」


「アイテムボックス持ちか!良いとこの坊っちゃんかなんかか?」


転生者とは言えぬ。まぁそこまで深入りしてくるタイプの人でもなさそうだし秘密でいっか。


「秘密~」


「コネでも作っとこうと思ったんだがな。何本いる?」


欲望に忠実なおっちゃんだな。

その性格、嫌いじゃない。


「とりあえず今どんくらいある?」


「今50本くらいだな」


「じゃあそれ全部買うよ!」


「お、太っ腹だな!普通なら6500Gだが6000Gにまけとくよ!」


「おっちゃんありがと!あと聞きたいことがあってさ。冒険者登録ってどこでできるの?」


「こっから真っ直ぐ行って空飛ぶ白鯨亭って店がある。そこの真横だ。なんなら今日の売り上げは達成できたし連れてってやるよ。ちょっと待ってな」


「え、良いの!?ありがとうおっちゃん!」


いやーありがたい。このおっちゃんマジでいい人!イケオジ!カッコいい!」


「口に出てるぞ。兄ちゃん名前は?」


「コールド・ユーヴァス。ただの放浪者さ」


「ほーん。にしては良い感じの見た目してるけどなぁ。…本当に他国の王子とかじゃないよな?」


見た目でそう思われてるんだろうが、俺はそんなすごいものではないのだ。

許せ、おっちゃん。本当はこんな見た目じゃねぇんだ…!


「ないない。俺は庶民を愛し庶民に愛される男だからね!」


「ならいいが…ついたぞ。ここが冒険者協会だ。一応名乗っておこう!俺は…」


「ガルグさん!何してるんですかこんなところで!」


「チッ…ほっといてくれよ…」


「そんなわけにはいかないでしょう!貴方仮にもギルドの長でしょ!?」


「名乗りが遅れたなコールド。俺の名はガルグ・ルースター。自分で言うのもなんだが王都で一二を争うギルド、【焔獅子】のリーダーを務めている」


(焔獅子って何!)


(アナウンス;焔獅子とは王都に置いて一二を争うギルドであり、リーダーガルグは国王のボディーガードなどを任されることもある強さの持ち主です。ギルドの名前でもある焔獅子の異名を持ち焔を纏い獅子の如く敵陣に攻めることからついたようです。その活躍はまさに一騎当千という文字が相応しいかと)


バケモンじゃねぇか!


「そんなすごい人だったのか…」


「最近は俺の顔も割れちまって店が赤字だったんだ。お前みたいな俺の事を知らないやつが久々に来てくれて嬉しかったぜ!」


そりゃこの世界に来て一日経ってないからね!知らないよ貴方なんて!


「それじゃあ、牛串は大事に食ってくれよな。俺は今から仕事があってな」


「あ、行ってらっしゃい」


「じゃあな!」


そういった瞬間、俺の目の前から消えた。

俺でも目視できないってことは俺よりレベルが上…?

300より上って相当だぞ?

…まぁいいや。冒険者協会に入らないと。

色々考えながらも俺は冒険者協会のドアを開けた。



◆──ガルグside


(あの兄ちゃん、威圧感が半端なかったな。本人は気づいてなかったようだが焔獅子にいる幹部でもあいつには勝てん。レベルは…300ほどか?)


「おもしれぇやつがこの町にやって来やがったなぁ!」


獅子達を率いて戦果を残し続ける男はそう笑う。


ガルグ・ルースター

レベル 756


スキル【???】【???】【???】【???】【???】

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