VTuberのガワの状態で転生した俺、何故か設定も引き継いでて絶対零度で最強に
熊の手
第1話 プロローグ
突然だが、俺こと霜凪 悠はVTuberをしている。何故って?推しに会いたいという不純な動機である。
そして俺は何故かオーディションを突破しながら大手企業に所属することになった。
何故かオーディション突破できちゃったよ。
そして配信を初めて二年ちょい、俺の登録者は50万人を越えていた。
だが運営が入れた仕事をやりながら配信をして動画を編集するというハードスケジュールに寝らずにエナドリを飲んでいた結果。
ぽっくり逝きました。
じゃあなんで意識があるって?
そこが問題なんですよね、はい。
何故か俺は野原に立っております。
それも俺の見た目だけど俺の見た目じゃない。
Vの方の見た目である。
キャラ名 コールド・ユーヴァス
白髪に水色を少し混ぜた頭、琥珀色の眼、俺の推し絵師さまに性癖の全てを詰め込んだ見た目である。
こういうのって転生って言うの?転移って言うの?まぁ分かんないからいいんだけどさ。
設定としては「異世界から来た氷を扱う最強の魔法使い、弱点はほぼなく完全無欠の存在(公式HPにて)」
はい、設定もりもりですね。
俺でもなんでこんな痛い設定にしたか分かんないよ。
完全無欠の存在っていいながら弱点人より多いタイプの人間だしな、俺。
こういうのって何て言うんだっけ、ステータスって言ったらなんか出てくるんだよな。
「ステータス」
目の前になんか出てきた。
コールド・ユーヴァス Lv.300
スキル 【絶対零度】【鑑定(異世界特典としてアナウンスがつきます)】【身体能力強化】【武神】【鋼の心】【アイテムボックス】
絶対零度は設定通りの氷魔法だろうな。
武神も完全無欠とかいう設定のやつ。
鑑定はありがたい。普通に使えるやつ。
「鑑定さん、ここどこ?」
アナウンス:王都 カリヴァールの近くの平原です。西に数キロほど進むと王都につきます。
「ちなみに力試ししたいんだけどここら辺の平均レベルは?」
アナウンス:20から50ほどです。ルーキーを抜け出した者や中級者などが好んで使う狩り場です。
「オッケーオッケー」
それじゃあ力試しに行きますかね。
◆───平原にて
はい、なんかでけぇ角生えた牛がいますね。
普通の牛の数倍はあるぞこれ。
「絶対零度 一式 【粉雪】」
アナウンス:絶対零度 一式【粉雪】に触れたものはその部分から一気に凍っていきます。解除するには上級炎魔法を使うかコールド様よりレベルが高くないと解除できません。
ほーん、攻撃ってより拘束系の魔法か。
でもこれワ〇ピースの青〇ジみたいに破壊すれば回復できないんじゃね?
「牛さんごめんよ」
そう言ってグーで殴ると粉々になった。
やっぱ破壊すると治らないのか。人間には使えないな。
まぁ人間と戦う予定ないんだけどさ。
そんな物騒な事態に巻き込まれたくないよ俺。
それから二時間ほど力試しをしたところで疲れたので王都と言うところに向かうことにした。
「西だっけ?」
アナウンス:西に8kmほど進んだところです
身体強化使った方が早く着くかな?
「【身体能力強化】」
身体を金色のオーラが纏う。
「うお?ちょっと待って!早い早い!いやもう町目の前だし!」
かろうじて身体強化のおかげで動体視力は上がってるから見えたがこれ一歩間違えれば人間弾丸やんけ。
「ここら辺も特訓する必要があるかなぁ…」
「君、止まりなさい」
独り言をブツブツ言いながら町に入ろうとすると警備員みたいな人に止められた。
「身分証は持っているかい?」
「すみません…他国から来たもので持ってなくて…」
おう…すらすらと嘘が出てくる自分に驚いてる。
「お金は持ってるかい?」
「えーとちょっと待ってくださいね」
アイテムボックスの中を見ると紙が入っていた。
『お金は向こうの世界のやつを全て入れといたから好きに使ってね』
…ここの神は何を考えてるんだ?
まぁいいや。
「いくらあれば足りますかね?」
「身分証を作るなら10000G貰うことになっている」
「これで足ります?」
コインをジャラジャラと目の前に出す。
「少しお釣りが出るな。じゃあこれが身分証とお釣りだ。職がないなら冒険者か商人をおすすめする。アイテムボックスを持っているなら冒険者でも商人でも引っ張りだこだからな」
「ご丁寧にありがとうございます」
「そのお礼は今度あったときに酒でも奢ってくれ」
いやーカッコいいお兄さんだったな~。あんなこと俺も言ってみたいわ。
「おう兄ちゃん旅人かい?安くしとくから買ってかないかい?」
おじさんが俺を呼ぶ。
「おじさん何これ」
「ビッグホーンって牛の肉さ。ここら辺じゃよく食べられる肉なんだが、外で見なかったか?」
「あ、でかい角の牛?あれなら見た見た。じゃあ…10本くらい頂戴!」
「あいよ!兄ちゃんイケメンだから二本おまけしとくからな!」
「うわ!おじさんかっこいー!」
「ハハッ!そうだろ!じゃあ1300Gだ」
「はい、これでお願い」
「ほい、ぴったりだな!また来てくれよ!」
「あーい」
腕に牛串の袋を抱きながら俺は町を歩き始めた。
なんでアイテムボックス使わないのかって?食べ物持って街中歩くのに憧れたからだよ!
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