例えば、ダンジョンがあり死が身近。そういった、思考の根本的な部分、所謂常識が違うことで生じる読者と登場人物の思考のズレが、有り得そうって感じられる塩梅のところとか、命の脆さ、死ぬときはあっさりしてる感じとかの《死》に関するあれこれが、この作品を生々しく感じさせる。
物語が常に、《生》ではなく《死》を軸に据えて進んでいるのが独特で、それがこの作品特有の空気感を醸し出しており、更にファンタジー要素の、設定が練られた上での感覚的な理解のしやすさも相まって、読めば読むほど引き込まれていく。
一章から二章になる前後、展開が色々予想外で、しばらく動悸がおさまらなかった。これが恋か(見当違い)
まずは設定が秀逸です。異世界に転生するのではなく、異世界がこちらにやってくるというのが意外と新鮮。
それだけだったら流行のダンジョンものなのですが、この変化に対して社会がどう変わるかまで考察されています。
SAOの変種かなと思って読み始めたのですが、良い意味で裏切られました。
思いのほかシリアスです。
ファンタジー好きな方に超おすすめ。
ところで途中でお話が急展開してついていけない読者が結構いるみたいなのですが、そこで読むのを止めてしまうのはもったいないですよ。
続けて違うキャラクターが出てきて、物語に厚みが生まれています。
これ以上書いてしまうとネタバレになりそうなのでこれはご自分の目で確かめて欲しいのですが、いわゆるラノベのダンジョンものの一歩先を行っている気がします。
ラノベよりも一歩先を行っているファンタジーです。
ぜひご一読を!