春爛漫
暗い部屋から覗く小さな窓がまるで額縁に切り取られたように見える。
何度額縁から外を覗いただろうか。
何もできない自分を責め続ける日々が数えきれないほど過ぎていっている。
今日もまた額縁を覗く。
外はまぶしいほど春めいて桜が爛漫と咲き乱れている。
自分とはほど遠いその世界に憧れと恐怖を抱いた。
いつか自分も似合うようにと思いを馳せながらも今日も一日暗い部屋で過ごす。
それしかできない自分には日差しが痛く感じた。
創作小説 超短編集 コウゾウ @kohzoh_soshiki
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