深海からきたツカイさん

るいすきぃ

第1話

太陽が風、木、地面、子供たちをオーブンの中のように熱々にする夏の日、思わず「海に行きたい!」と叫びたくなりませんか。

でも、かおるはこれっぽっちも海に行きたいなんて思いません。かおるは本ばかり読んでいて、海にも山にも行ったことがありません。あまり本ばかり読むので、目が悪くなり、分厚いレンズのメガネをかけているのです。

「出かけるより本を読んどったほうが楽しいんじゃもん」

これは、広島弁。かおるは広島の田舎の町に住んでいます。

お母さんは、いとこたちが島根の海に行くと聞くと、「いっしょに行っといで」と言いました。

「泳ぐの苦手じゃし、行きとうないなぁ」なんて言おうものなら、お母さんはこういうでしょう。

「がんばってやってみんと上手にはならんのよ!」

お母さんの怖い声を想像して、かおるはしぶしぶ「はぁい」と言ったのでした。


朝はやく家を出発して、広島から島根まで長い時間バスにゆられて、ようやくかおるは海水浴場に着きました。

かおるの目の前に広がっているのは、見たことがないくらい透明な海でした。波がキラキラと銀色に輝いています。

「なんでこんなに透明なんじゃろう」

かおるは瀬戸内の少しにごった緑色の海しか見たことがなかったのです。

ゆううつな気持ちはいつの間にか消えてしまっていました。

しばらく感心しながら海をながめているうちに、かおるはあることに気づきました。水着を着ているのにメガネをかけとるんは変じゃない?

急にとても恥ずかしくなってきました。人に見られたくなくて、かおるはいとこたちからはなれて、波打ちぎわに行きました。

ぼんやりとひとりで海をながめていると、なんだか波が気持ちよさそうです。まだ海へ入っていく勇気はないので、足だけつけてみました。

はだしの足の指や甲の上を波がのぼっていき、少し砂を残しながら、また沖の方へかえっていきます。かおるはそのようすを見て楽しんでいました。

いつの間にか太陽は頭の真上にあって、頭も体も暑くなってきました。

「暑いなー。水の中は涼しいんかなぁ」

ようやく海に入る決心をして、かおるはそろそろと波に向かって進んでいきました。足首、すね、もも、とゆっくり海水にひたしていきます。少しずつ沖の方へ進み、お腹まで水につかりました。水の中はひんやりしています。でも、うでや肩や頭はギラギラと輝く太陽に照らされて、やけどしそうに熱くなっていました。

「もう少し行ってみようかな」

遠くで波がタプタプと海面をゆらしています。

「大した波じゃないし、だいじょうぶじゃろう」

かおるはまた、そろそろと進み、胸がつかる場所まで行きました。 

「冷たくて気持ちいいのぉ!」

そのとき急に大きな波が来て、あっという間にかおるは頭から海の中に引き込まれ、水の中でグルグルと回転しました。

「どうし……よう!うち……おぼれ……よるん?」

かおるは必死に手足をバタバタさせてもがきました。もがけばもがくほど、深くしずんでいきます。

息ができず、苦しくて、しばらく気を失っていたのでしょうか。気づくと、目の前に大きな銀色の魚がいました。

かおるの身長の何倍もありそうな、平べったい魚です。不気味なギョロ目で、口をパクパクさせています。

「うわっ、食べられるっ」

と目をつぶったかおるの耳に、声が聞こえてきました。

「あなた、人間の女の子ですよね?」

「え、誰がしゃべったん?」

目をあけてみると、目の前の銀色の魚が口をパクパクさせています。すると、魚の口から小さな泡がたくさん出て、そのあとから不思議な声が響いてきました。

「私ですよ。あなたの目の前にいる……」

「えーっ!なんで魚がしゃべれるん?」

銀色の魚はまた口をパクパク動かしました。

「私は通訳魚なんですよ。人間と魚が話をできるようになるといいなと思って、人間の言葉を勉強したんです」

かおるは、さっきまでこわいと思っていたのを忘れて、感心してしまいました。

「えっ、魚なのに、人間の言葉を勉強したん?すごいなぁ。どうやって?」

「いや、そりゃもう、大変でしたよ!人間たちが話しているのを波にかくれてこっそり聞いてマネしたり、難破船の中で見つけた本を見て文字を覚えたり……」

それにしても、通訳魚なんて魚がいるんでしょうか。

「通訳魚なんて、初めて聞いたよ」

とかおるが言うと、

「私は通訳魚第一号です。私の他に通訳魚はまだいません。私のことを人間たちは、カミノツカイ、なんて呼んでいますよ。神様の言葉を伝える魚と思っているんでしょうね」

銀色の魚は頭をぐっと持ち上げながら、重々しく言いました。

「神のツカイ?」

確かに神の使いと言ってもおかしくないくらい立派な魚です。透き通るような銀色の長い体はまるで竜のよう。頭の上には何本もの赤くて長い飾り、胸には同じように赤くて長い2本のひものようなヒレがひらひらとゆれて神秘的です。

でもカミノツカイなんて名前の魚、知らんなぁと思いながら、かおるが何げなく

「リュウグウノツカイなら聞いたことあるけど」と言うと、

「アー、オホン」

少し恥ずかしそうに銀色の魚がせき払いをしました。

「えーと、私が勉強した本には、カミノツカイまたはリュウグウノツカイ、と書いてあったかもしれません」

本当は間違えたんじゃないの、と思いましたが、かおるはツカイさんの名誉のために何も言わないことにしました。

「オホン。そんなことより、あなたは人間の女の子ですよね?」

ツカイさんは、また聞きました。

「そうじゃけど、それがどうかしたん?」

「私ねぇ、かりなきゃいけないんですよ」

かりる?何を?とかおるが思っていると、

「今日は海の運動会なんです」とツカイさん。

「海の運動会?海にも運動会があるん?」

海の運動会ってどんなことするんじゃろう。ツカイさんみたいな魚が何匹もいて、綱を口にくわえて引っ張りあったりするんかな……。想像すると、なんだかおかしくなって、かおるはふふっと笑ってしまいました。でもツカイさんはまじめな顔です。

「あのねー、あなた、少しだけいっしょに来てくれませんか?そんなに長くはかかりませんから」

どうしていっしょに行かなくてはいけないのか、かおるにはわかりません。

「なんでうちに来てほしいん?」

「だ、か、ら、今、借り物競争の時間なんです。私、人間の女の子をかりることになったんですよ。ね、あなたがぴったりでしょう?」

ツカイさんは、かおるが断るとは思ってない様子です。

「うち?うち、海の底には行けんよ。こわいし、泳げんし、それに、水の中じゃ息できんもん」

「でもあなた今、息、してますよ」

かおるはすっかり忘れていましたが、今、海の中にいるのでした。

「なんで水の中で息ができるんじゃろう?」

「私が透明なアブクの中にあなたを入れたからですよ」

とツカイさんが言いました。

よく見ると、かおるのまわりにうっすらと透明なあぶくが見えました。

「こんなアブク、ちょっと何かにぶつかったらすぐ割れるじゃろう?」

「大丈夫、ぶつかって穴が開いても、すぐ直ります。ただし、何度も穴を開けると、だんだんアブクが薄くなって割れてしまうので、気を付けてください」

「でもなー……海の底なんて、こわいな……」

「絶対すぐにお帰ししますから。お願いします!みんながまっているから、早くいっしょに来てください!」

ツカイさんがあんまり一生懸命たのむので、かおるは思わずうなずきました。

するとツカイさんは、かおるが入っているアブクを頭でずんずん押して、どんどん海の底へもぐっていきました。

あたりはみるみる暗くなり、ひんやりをとおりこしてふるえがくるほど寒くなってきました。やがて海の底までくると、徐々に目が慣れてきて、まわりのようすがぼんやり見えてきました。

魚、タコ、イカ、クラゲ、カニ、エビ、イソギンチャク……。カラフルで、不思議な姿をしていて、まるでおもちゃみたい。でもみんな生きて、動いているのです。

かおるは、初めて見た海のいきものたちが面白くて、キョロキョロとあたりをみまわしました。

いつのまにか寒くなくなって、こわばっていた体も自由に動くようです。

海のいきものたちは人間の女の子がめずらしいのでしょう。運動会をいったん中止して、かおるを見ようと集まってきました。

ツカイさんとかおるを囲んで、さかんにヒレや足を打ち合わせ、ブクブクと小さな泡をふき出しています。ツカイさんは赤いひらひらしたヒレを頭のそばでふって、どうやら照れているみたいです。

「みんな、私があなたを連れてきたのでおどろいたみたいです。まさか、こんなに大げさにほめられるなんてね…」

「こんな深い海の底では、人間の落とし物はたくさんありますけど、本物の人間はめったに来ないんですよ。女の子なんて見たこともないくらいです。絶対連れてこられないだろうと思って、かりものを人間の女の子にしたんですって」

「絶対連れてこられん?それをかりものにするなんて、ちょっとひどいなあ……」とかおるは思いましたが、ツカイさんは得意げです。

ユラユラと、クラゲがツカイさんのそばに来ました。たくさんある手の一本をかおるの方に向けて、何か言っているようです。

「あのー、クラゲさんがききたいことがあるそうです。失礼ですけど、あなたの目についている、二つの丸いものは何ですか、ですって」

「あぁ、これ?これはメガネ。うち、目が悪いけぇね。これをかけるとよう見えるんよ」

ツカイさんは、かおるが言ったことを、海のいきものの言葉で、クラゲに言いました。すると、かおるとツカイさんを囲んでいるいきものたちは口々に「ほぉー……」というため息をもらし、いっせいにしゃべり始めて、またあたりが小さな泡でいっぱいになりました。

「おぉー、これがメガネですかー。本で読んだことありますよ。なるほど、めずらしいものですねぇ。それに、とてもオシャレでカッコいいじゃないですか!」

ツカイさんは、今はやっているファッションだと思ったのか、しきりにほめました。

メガネがかっこいい?かおるはびっくりしました。でも、ほめられるのは悪くない気分です。

さて、ツカイさんがかりものをかりてもどって来たので、次の競技が始まるようです。

エビたちが二匹のイソギンチャクのまわりに集まってきました。そして、二組にわかれたかと思うと、それぞれ体を曲げ伸ばししはじめました。すると、海底の砂が巻き上げられて、イソギンチャクの上に積もっていきます。

「これは何をしとるん?」

「砂がたくさんのった方のチームが勝ち、という競技ですよ」

「へぇー、玉入れみたいなもんじゃね」

次はダンスです。たくさんのクラゲたちが、ユラユラゆれる手をそろえて踊りだしました。一糸乱れぬその動きはとても優雅です。クラゲのダンスをバックに、一匹の魚が前に出てきて、リズムに乗ってはげしく回転しました。

「わー、すごい!ブレイクダンスみたい!」

 かおるは楽しくなってきました。その様子を見て、

「良かったら、あなたも競技に参加しませんか?」

とツカイさんが言いました。

「えー、うち、スポーツは苦手なんよ……」

「いいじゃないですか。次は難しくない競技です。ただの泳ぎっこですよ。早いものが勝ちです。」

「競争はなー……」

かおるは、去年の運動会の徒競走を思い出して、思わず顔をしかめました。

「でも、あなたより小さな魚たちばかりが参加するので、勝てるかもしれませんよ」

「うーん……」

しばらく悩んで、かおるは思い切って言いました。

「じゃあ、やってみようかな」

タコが長い手をユラユラさせて、スタートラインを教えてくれました。

「用意、スタート!」

ということでしょうか。タコがぴゅーっとスミをはきました。

小魚たちは素早い動きでスタートしました。

ところが、コースはスミで真っ暗。みんな前が見えずに大パニックです。グルグルと同じところを泳ぎ回って、お互いにぶつかっては文句を言い合っています。

一匹の魚が、かおるのアブクにぶつかってきました。

「あっ、危ない!」

かおるは、あわてて魚たちからはなれようと、手足を動かしました。するとアブクはゆっくり前に動き始めました。

「とにかくみんなからはなれんと!何度もぶつかったら、アブクが割れるかもしれん」

誰にもぶつからない広い場所に行こうと、一生懸命手足を動かしていると、だんだんタコのスミが薄れてきました。むこうでカニが手をふっているのが見えます。

「あれがゴールかな」

かおるはカニの方へ泳いでいきました。ほかの魚たちは、まだタコのそばでグルグル泳ぎ回っています。

小魚たちに圧倒的な差をつけて、かおるはカニのはさみにそっとタッチしました。

「人間の女の子の勝ちー!」

ツカイさんが大きな声で叫びました。

すると、一瞬、あたりは静まりかえりました。

そのあと、エビやクラゲや大小の魚たちがいっせいにざわざわとしゃべりはじめ、集まってきました。ツカイさんを囲んで、かおるにはわからない言葉で何か話しています。みんな興奮しているようすです。みんなの話を聞いていたツカイさんは、急にあわてだしました。

何か言い争ってるな、とかおるが思っていると、大きなサメが二匹、ツカイさんを押しのけてかおるに近づいてきました。暗い海水の中で、四つの青白い目が不気味に光っています。

二匹はかおるのアブクを押して、サンゴがオリのように枝をからませている場所へ連れて行こうとしました。

そのときです。

「メガネをとって、投げるふりをして!急いで!」

ツカイさんが大きな声で叫びました。

何がなんだか分からないけど、かおるはツカイさんの言う通りメガネをはずして、腕をふり回して投げるふりをしました。

ツカイさんが、かおるをヒレで指さしながら、海のことばで何かを叫んでいます。

すると、かおるをサンゴのオリにとじこめようとしていたサメたちが、急におびえたようすで、かおるをはなして後ずさりしました。

そのすきに、ツカイさんは弾丸のように泳いできて、二匹のサメたちに体当たりしました。そして、ぐいぐいとかおるのアブクを押しはじめました。

「ツカイさん、どうしたん?」

「大変です!あなたは、うまく泳ぎすぎたようです。みんな、人間が海でどのくらい泳げるか調べようって言い出したんです」

追いかけてくる大きなサメたちをふり切って、ツカイさんはものすごい速さで泳ぎます。

「人間の女の子がまた来ることはないだろう、このまま海の底で飼って研究しよう、ですって」

「えーっ!そんなの絶対に嫌だぁ!」

ツカイさんは必死で泳いでいます。かおるはもうひとつ気になっていることを聞きました。

「なんで、メガネを投げるふりせぇって言ったん?あの後みんな急に離れていったけど」

「あれはね、メガネには毒があるぞ、あたったら危ないから逃げろって、おどかしたんですよ」

アブクの外はどんどん明るくなっていき、冷たかった海水が徐々に温かくなってきました。

へとへとになったツカイさんのスピードが遅くなってきたころ、やっと岸の近くまで泳ぎ着いて、ツカイさんは息を切らしながらこう言いました。

「あやうくウソつきになるところでしたよ」

「ウソつき?」

「すぐお帰しします、って約束したんですから。研究したいのなら、いっしょに来てしばらく海でくらしてくださいって、おねがいしてからでないとね」

そう言われてついていく人はおらんじゃろうな、とかおるは思いました。でも、ツカイさんの優しさは、温かい海水のようにじわじわとかおるを温かくしてくれます。

「ツカイさんは魚なのに、うちの味方してくれたんじゃね」

すると、ツカイさんは真面目な顔をして、こう言いました。

「実は私、人間の言葉を話していると、ときどき自分が人間になったような気がするんです。はじめて人間を見たときは、変ないきものだな、って思ったんですけどね」

「うちもね、初めて見た時は、ツカイさんのことちょっとこわいな、って思ったんよ。でも今は全然こわくないよ。優しいし、竜みたいでかっこいいと思う」

ツカイさんは照れながらうれしそうです。

「ツカイさんはいい魚じゃね」

そう言ったあと、かおるはだまってしまいました。ツカイさんは、もうすぐ海の底に帰らなくてはいけないのです。そう思うと、かおるは、のどに大きなかたまりがつかえたみたいで、むねが痛くなりました。

「もう会えんのかなぁ……」

「きっと会えます、って言いたいんですけど。むずかしいんでしょうね……」

ツカイさんもだまりこんでしまいました。

ふと思いついたように、ツカイさんは口を使って体をこすり始めました。そして、体からはがれた一枚の銀色のウロコをかおるに差し出しました。

「これ、もらってください。そして、ときどき私のことを思い出してください」

ツカイさんのウロコは大きくて、透明で、キラキラと銀色に輝いています。

「こんな大切なもの、いいの?」

「いいんです。あげたいんです」

ツカイさんは、まるでマジシャンが風船の中にコインを入れるように、アブクを割らずに上手にウロコをわたしてくれました。

かおるも何かあげたいと思いますが、何もありません。かおるが持っているものといえば、メガネだけです。メガネを失くしたらお母さんは怒るじゃろうな、と思いながら、かおるは言いました。

「ツカイさんが大切なものをくれたんじゃけ、うちも大切なメガネをあげる」

「いいんですか! これはめずらしいものですよ!」

ツカイさんは大喜びで、メガネをじっと見つめ、思いついたように言いました。

「そうだ! 人間の女の子ではなく、人間の女の子のメガネを研究するっていうのはどうでしょう?」

「うん、いいんじゃない」

と言ってから、かおるはツカイさんがしたことを思い出しました。

「でも、みんな、メガネに毒があると思うとるけ、こわがるんじゃないかな」

「そうですね。まずは、あれは勘違いだったって説明しないと」

笑いながら、かおるはメガネをツカイさんにわたし、

「元気でねー」

「お元気でー」

二人は何度も言い合いながら、お別れしました。

海から上がってみると、まだ陽は高く、誰もかおるが海底に行ってきたことに気づかないようでした。


家に帰ってかおるは、メガネを海で失くしたことをお母さんに言いました。思った通り、お母さんは怒りましたが、「仕方ないねぇ」と言って新しいメガネを買ってくれました。そして、海のことを知りたくなったと言うと、喜んで図鑑も買ってくれました。

かおるは、毎日その図鑑を見るのを楽しみにしています。あの時見た深海の不思議ないきものたちは、すました顔で図鑑の中からこちらを見ています。図鑑をながめていると、またいつか、ツカイさんたちに会える気がしてくるのです。

ツカイさんの銀色に輝くウロコは、机の上の透明なビンの中です。かおるは時々それをじっと見つめて、ツカイさんのことを考えます。

「今ごろ海の底で、ツカイさんたち、集まっとるかな。真面目な顔をして、うちのメガネを研究しとるんかなぁ」

かおるはそんなようすを想像しては、ふふふっと笑ってしまうのでした。

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深海からきたツカイさん るいすきぃ @lewisky

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