あとがき
どうも、沖田ねてるです。ここまで『トラウマノコイ』を読んでいただき、ありがとうございました。せっかくなので、この物語の裏話でも。
今回の物語を書いたのは、昨年の秋頃。当時コメディばかり書いていた私は、そろそろ真面目な話を書きたいなあと思いつつ、さてネタはどれにするかと悩んでおりました。目についたのが、私自身の昔の妄想をまんま反映させたこの物語の思いつきメモ。うだつが上がらない、冴えない男子生徒が、実は裏でみんなを守っている。男子諸君なら一度は思い描いたであろう中二病的設定を、そのまま文章に起こしてみました。結果として、コッテコテのライトノベルっぽい物語になったなあ、と個人的には思っております。
合わせて当時の私は、そろそろ世界観設定も一捻りしてみようと今さらながら思い始めており、ただの現代ファンタジーではなく恋愛が義務化された世界というものを思いつきました。スマートフォンはスマートウォッチに取って変わられ、貨幣は全て電子通貨等の近未来予想を立てつつ。
少子高齢化が深刻化したらどんな風になるだろうか、異能力の設定はどうしようか、トラウマとか良いよなと自分なりに考えて世界観を組んでみました。ただ、これラブコメでやった方が面白いんじゃね、とも思ってるので、いずれこの世界観は使いまわすかもしれません。
世界という土台を置きつつ、キャラクターを設置して物語を考え始めました。まずは主人公のハジメ君について。いじめられっ子の癖に何処か気取っており、シスコーンであるという彼。彼の銃弾を作り出す異能力は、直前に観ていた次元●介さんの影響かもしれません。採用したライトニングホークは、もちろんバイオハザー●から。ただあれ銃身が長いので、尻ポケットに入れるととんでもないことになりそうですが、そこはまあなあなあに(笑)
彼が持つトラウマは、子どもが作れない体質による親の虐待でした。異能力を考えた時点で、彼には世界観にマッチした重いトラウマを抱えてもらおうと思っていましたが、とある評価シートでは生々しいので好き嫌いが出るかも、というコメントをいただいております。そっかあ。
基本的に振り回されている彼ですが、書いていて「コイツは誰かに振り回されてる方が輝くな」なんて思い始めたりと、不思議な感覚に陥ったのを覚えております。結果、クレハに振り回され、ローズに振り回され、ベルさんに振り回され、ツギコにも振り回されるという、サブキャラから総出で振り回されることになりました。愛されている証拠ですね。
最後まで意地を張り続けた彼でしたが、まあその内にクレハあたりに観念することになるんではないでしょうか。本人に言ったらめちゃくちゃ不本意そうな顔をするのは目に見えておりますが、同じくらいそうなるんじゃないかと思い描けるという楽しい主人公でした。
次にメインヒロインとなるクレハ。ハジメとの対比として彼よりも背が高く、スタイル抜群でみんなからの目を引く存在。彼が遠距離ならば彼女は近距離、という割と分かりやすい作り方で設定を固めていったのを覚えております。
鼻にある一文字傷は、彼女のトラウマを考えた際に一緒に決めたのですが、後で思い返してみると武装錬●の斗●子さんだったな、と気が付きました。彼女についている首輪は、ちょうどその頃小説版のバトルロワイヤ●を読んでいた影響ですね。まあ首輪をつけられているという分かりやすさがありますしね。
彼女の性格は、なんて言うんでしょうかね。お姉さん的キャラと言うべきか、余裕そうな態度を崩さないと言うか。なかなか適した言葉が見つからないのですが、私の中には割とはっきりと定まっているものがある感じになりました。彼女とハジメを喋らせたら、まあ話が弾む弾む。基本的にクレハが振り回し、ハジメがツッコミつつ振り回されるという構図があっさりできて、会話シーンに全然困らなかったのを覚えております。
結果としてハジメを裏切り、その後に改心して仲間になって、最後には主人公を引っ張り上げるという王道ムーブをかましてくれた彼女。ハサミの異能力が少し地味かなあという気がしてるので、改稿する時はもっと派手な能力にして良いかもしれませぬ。
次にハジメの上司であり育ての親代わりでもあるベルさん。彼女、今回の作品の中では断トツのお気に入りキャラです。いやー、こういうイケオバさんっていうんですかね、一度書いてみたかったのですよ。口汚くあれこれ言ってくる癖に、内面では主人公のことを心配していて。無茶ぶりしてくる癖にさりげなくフォローしてくれてたりして。強い女なのに、その優しい性根を見せようとしないツンデレババア、最高ですね。
船の中で彼女単体で暴れるシーンなんか、ウキウキしながら書いてましたもん。こういう師匠キャラが主人公の為に命を張って散る、とかも考えましたが、いきなりそこまでやらんでも良いだろうと思い直して彼女は今回脇役に徹しました。と言うかそうしたら、メインヒロインの座すら喰いかねませんからね。
帝国のマーチが彼女のテーマソングなのは、最初から決まっておりました。まあ、彼女の元ネタが私の一番好きなヴィラン、ダー●=ベイダーですからね。流石に素顔を隠したり、実はハジメの身内だったり、みたいな設定はぶち込みませんでしたが、程よく彼と関わってくれる良い立ち位置にいてくれたと思っております。
次にハジメの悪友的存在であるローズ。いくらなんでも周囲に女性キャラが多すぎる、というライトノベルでは割とよくあることの中の黒一点。彼が気兼ねなく離せるビジネスパートナーとしての役割を担っていました。同時に彼は異能力の存在を知りながらも、自身は持っておりません。これはローズ自身にはあまり戦闘での見せ場を作らせない、という意図的なものになります。
というのも、異能力を持っているのならそれを魅せるシーンが必要な訳で、いくらなんでもページが足りなかったり。そもそも情報を手に入れてくるキャラが戦えたら、ハジメがローズの下位互換になるという点もあったりと、色んな事情がありました。
まあ、結果として戦闘外の部分で見せ場を作ってくれましたし、丁度いい温度になったんじゃないかと。後方支援をメインとした縁の下の力持ちとして、このイケメンはいぶし銀のような働きをしてくれました。
最後にハジメが溺愛し、彼の弱点兼日常の象徴でもあるツギコ。思い込みの激しい子という点でギャグ要素を入れつつ、一貫して狙われ続けていた彼女。囚われの姫様役をしてもらう予定でしたので、彼女にはラスボスに捕まってもらいました。
今回としては、あまり良いとこのなかった彼女。なお、彼女は異能力を持ってはいるが自覚がない、という伏線だけ張りましたが、これはまあこの物語中に回収する気はありませんでしたので。どうかこれが受賞して、シリーズ化することをお祈り申し上げます。そうすれば、ツギコちゃんももっと活躍できるからァァァッ!
こんな作品でしたが、皆さま楽しんでいただけたでしょうか。この物語は、一度ここで完結とさせていただきます。
というのも私が最近、ラノベの公募の関係を頑張りたいと思ってまして。一つの作品を長くやるというよりは、このくらいの長さの作品をたくさん作って新人賞にぶん投げたいと思っているからです。
最近はネットで公開していてもオッケーなレーベルも多く、PV数による反響や皆さまの感想なんかを見てから更に改稿し、改めて新人賞に出せるということで、なかなか助かっております。いつかデビューしたいなぁ……。
そんな私の次回作の仮タイトルは、こちら。
『絶対に勃起してはいけない高校性活』
未来人の手によって股間のアイアンメイデンが装着された変態主人公。外さなければ最終的には去勢されてしまう為に、解除条件である『股間にホクロがある女性』を探しに行ったが。巨大財閥の御曹司であり、彼が変態だと知っている女性が玉の輿を狙って彼にエッチなアプローチを仕掛けてくる。
エロに屈して勃起すれば、内側にある針が竿に刺さって悶絶必須。エッチな女の子を掻い潜って、探せ目的の女の子をッ! という変態ギャグマシマシの作品を考えておりますが。他にもいくつか書きたい物語がありますので、必ずしもこれになるとはご期待なさらず。
(と言うか、最近では公募の関係とかもあって、私の次回予告って全くアテにならないんですよね。マジすんません)
こんな私ですが、今後ともよろしくお願いいたします。以下に過去作品も置いておきますので、興味のある方は是非是非。
以上、沖田ねてるでした。それでは。
ーωー
(掲載順)
●ダレカノツゴウ ~勝手に異世界召喚で魔王にされたけど私は士官学校で青春したい~
https://kakuyomu.jp/works/1177354055086829151
●ウィッチドライブ ~女の子と事故って魔法少女になり身体の相性が良いから働かされてるんだけど俺はこれを許すべきか? 契約したからもう遅いわよ~
https://kakuyomu.jp/works/16816452218754759759
●異世界に転生してステータスを開いたらキェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!! 俺とステータスちゃんと行く土下座珍道中
https://kakuyomu.jp/works/16816452219328326952
●三十路の彼と幼い彼女 ~彼らは異世界行商人~
https://kakuyomu.jp/works/16816452221313933087
●人形A(あーちゃん)
https://kakuyomu.jp/works/16816927860123182621
●異世界に飛ばされた俺っちは邪神と超越者と二股しないと死ぬ ~あんまりだろこれ~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862823382591
●アイムジェニファー!
https://kakuyomu.jp/works/16817139555749741139
●セカイノクジラのType ZERO
トラウマノコイ 沖田ねてる @okita_neteru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます