第5話 葵光次郎
一撃にして、三日月はやられた。
錦も逃げようとしたが、
色男から逃れることはできず、尋問の間へと写された。
その頃、刀争奪戦が佳境に入る中、
新たな刀の所持者が見つかったと騒がれていた。
その名は、
葵光次郎である。
暁子「君は・・・葵屋の、!」
葵「ふいを突かれるなんて、暁子ちゃんはちょっと疲れていたのかな?」
暁子「まだ熱が下がってなかったのは、沖田さんには内緒ね・・・?」
葵「沖田くんの名前を、今は出さないでもらえるかな。非常に腹がたつ名前だ。」
暁子「葵ちゃん・・・?」
葵「ちゃん、はいらない。葵でいいそれともーーー」
腕を組まれたかと思えば、顔を近づけられて、
熱い口付けをされた。
光次郎「光次郎、と呼んでくれないか」
暁子「光次郎・・・」
光次郎は、名前を呼ばれるとにこりと微笑んだ。
「光次郎殿ーどこにいらっしゃるー!?」
光次郎「ヤバイ、警備員に見つかったら刀争奪戦の表彰台行きだ。二人で走ろう!」
暁子「ごめん、なんか、フラフラしてきた」
光次郎はそんな暁子を見兼ねると、ヒョイっと軽く持ち上げ、
暁子をお姫様抱っこして、その場を去っていった。
現代の病院では、まだ心拍数が停止していない晶子が、
うっすらと息を取り戻しつつあるところだった。
〜完〜
さすらいのはな唄 如月つきこ @tukiusaginogigi
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