ペットショップ店員のビーストテイマーは、誰も傷つけたくなんかない。

主人公アリスは、どこにでもいる普通のペットショップの店員……ではありません。
なんと彼女、ビーストテイマーの能力を有していて、その力を使って動物と心を通わせられるばかりか、その気になれば魔王を倒すことだって可能です。
ただし、あくまでその気になりさえすれば。

アリス自身はその力を決して誰かを傷つけるためには使わず、使うにしても、ペットのお世話や身の回りで起こる事件解決といったちいさなもの。そして力のことは、誰にも秘密。

それもそのはず。例えどんなに強くてもアリス自身は戦いなんて好みませんし、誰かを傷つけるなんて嫌。ペットショップの店員として、平和に生きていくのです。

そんな、誰も知らないビーストテイマーのほのぼのストーリー。それでこの話は完成するのだと、途中までは思っていました。

しかし、例え彼女が争いを好まず平和に暮らしたいと思っていても、そんな願いを壊す奴だっているのです。
中盤からアリスに危機が襲いかかるのですが、それが想像以上に過酷で、元の平和な頃に戻れるのかとハラハラ。

序盤は動物たちに癒しをもらい、中盤は過酷な運命に巻き込まれるハラハラを、これでもかと見せつけられる本作。
ならば最後はいったいどこへ行きつくのか。
願わくは、また癒しが待っていてくれますように。

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