第31話 林の中の懲りない面々
「ノンゎ勿論、
「何でよッ? 」
「そっ…… それはっ――― 」
「成程ねッ。その
「住人になるなら、その惑星の女神様から誰でも貰えるでのすっ。でも、どの女神様から、どんな
「メガ本⁉ 」
「あぃ‼ 女神本。略してメガ本なのですっ」
(扱いが雑ッ――― )
―――エロ本かよw
「かなり挑発的な内容なのですっ。男の人達が女神様ハァハァして買ってたらしいのですっ」
(エロ本じゃねぇかw)
「
「会った事ゎ無いので分からないのですっ。小さい頃に林の中に何故かカピカピになって捨ててあったメガ本をこっそり見た時ゎ きれーなおねいさんだったのを覚えてるのですっ」
―――だからッそれエロ本……
「会った事無いってッ、洗礼式とかの時に会えないのッ? 」
「会えないのですっ。
―――女神はアイドル活動もしてたとかッ……
(随分めんどくせぇッ…… )
「売れっ子は誰だったの? 」
「過激さと可憐なお姿が、幼さ残る奇跡の融合と
―――先代はガチロリかよッ……
「裸体を大きなウサギのぬいぐるみで隠したおねだりポーズらしいですっ」
(全裸癖は先代からか…… ウサギは何でだ? )
「何でウサギのぬいぐるみ? 」
ミューは大きな
「月の巫女様が
「あぁ成程ね…… 」
ミューは言葉に詰まり少し
―――メガ本ねぇ……
(探すのも面白いかもねッ)
鼻先に吊るされた野菜類を餌に、強制的に歩かされている巨大な古代生物がノシノシ砂丘を渡る。肌を焼く日差しは思った以上に体力を奪い、隙あらば腹を騒がしく鳴かせた。
ジュウジュウと甲羅でパンに挟む目玉焼きと焼いて居ると、今迄ノロマだった乗り物が手足をドシンドシンとバタつかせ大急ぎで走り出す。まぁ走り出すといっても早歩き程度なのだが、乗っている方は
「なッ――― コラッ‼ 」
「あばばばばばっ」
激しい縦揺れでノンの顔が何重にも見える。すると……
―――目玉焼きがツルツルと甲羅の上で滑り逃げ出した―――
「逃げるな畜生‼ ノンッ、そっちの目玉焼きを頼む、アタシはこっちの目玉焼きを確保する」
「らじゃ~なのですっ」
後一歩で確保ならず、悲しいかな目玉焼きは、シャーと甲羅の曲面を滑り落ちて行くと、途中でポーンと空に舞う。それを待ってましたといわんばかりに、砂の中から変わった姿をした魚の様な生物が、派手にジャンプしてバクンと飲み込んだ。
「あぁぁぁぁぁッ、アタシの目玉焼きがぁ、てってめぇ~ 」
「
「何だそりゃあ」
「序列ランク外の野獣って言われてる
「こいつにビビッて走り出したのかッ」
(早歩きだけどッ)
落ち着いて周りを見渡すと、砂の波間から沢山の三角の
「幾ら雑魚って言ってもコノ数は多いわね」
―――20は居るか……
イヤッ30位か―――
すると、この群れのリーダーなのだろう、一際でかい
「ノンッ、あの一番でかい奴の背中。何か見える? 」
「何か乗っかってるのですっ、見えるですっ」
「やっぱり何処に行っても
「ゲレッコゲーコ デゲーコ ネゲロッ ゲイコガネゲロッ」
何故かソイツは短い腕を勇者の様に高々と突き上げていた……。
アルヴァルウィンド 那月玄(natuki sizuka) @hidesima8888
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