くじらの形のこの場所で

くじらモチーフ入る作品って良いですよね、見かけると読みたくなっちゃいます。大体雰囲気が好みなので。

今作もキャラクター達が織り成す物語が心地よい作品でした。第一話のニチカとカゲツのキャラと世界観が見える会話が楽しい。本は増殖するって主張するニチカの言い分、私はわかります……w

海に浮かぶようにあるくじらの形の場所は、ニチカの言うように気楽な世界ではないのでしょう。(ちょっとだけ見えるニチカの過去とか、食前の祈りなんかを見ても、彼女も何かありそうだしっぽいし)それでもいの一番に心配する少年だったり、ジュースおごってくれたお姉さんだったり、丸顔のお医者さんだったり、ぶっきらぼうな定食屋のおじさんだったり、そんな温かい人達がいるこの場所は大丈夫だと思えて読後感が良かったです。