例の魔法を試したあと、アルゴは自宅に戻り朝食をとった。

「しかし、妹は前世の記憶はあるのだろうか?そもそも性格が全然違う」

そんなことを思いながら朝食を食べていた。

確かに妹はおてんばだったが今はすごく物静かになっている。

「あらためてここまでの人生を整理しよう。

まず、この家の長男に生まれて16歳で記憶を取り戻し、魔法を使った。そして明日から

王都の学校に妹が入学し、俺はそこの学生である。」

頭の中で整理すると一つの疑問が出てきた。

「何故、魔王を倒すのか?」

この条件なら普通にこの家を継ぎ、安定した生活を送れるはずだ。

すると、手のひらに紋章が現れてその瞬間に

心臓が鷲掴みにされているような感覚に襲われた。

「なるほど約束を果たせないと、殺されるのか」

このことを考えるのをやめて次を考えた。

「新しい魔法を作ろう。」

アルゴは朝食を食べて部屋に戻ると

神に式を書いた。

その式の数はおよそ一億にも及んだ。

爆炎から凍結。さらには封印まで、

この数ならば魔王の10%ぐらいにはなると

考えた。

そしてこの式を書きおえた頃には夕方になっておりアルゴは夕食を食べに行った。

そこには妹のフラヌがいた。

フラヌは銀髪で目の色が左右で変わっており、とにかく可愛いかった。

「フラヌ、明日から学校だがどうだ?準備は

終わったか?」

アルゴがフラヌに聞くと

「えぇ、大丈夫です。兄様と違って」

「やめろ、入学初日に遅刻しかけたんだから。」

「懐かしいです。昔からそういうところは抜けているんですから。頭はいいのに。」

フラヌは笑いながら話を続ける。

「中等部では、いつも成績は上位で生徒会長の貴方は有名でしたよ。特に王都の新聞で取り上げられた時は面白かったですね。」

「あの、『天才生徒会長の驚きの政策』とかいう記事か。懐かしいな。あれで授業の効率化と生徒達の学校への不満を同時に無くしたもんな。」

「たしか、週に一度やっていた朝会をなくして紙でやるようにしたんでしたっけ?学校は

先生よりも生徒会の権力が上でしたよね?」

アルゴは自分が行った政策をフラヌに話はじめた。

「風紀委員会、学校会議、生徒会との三権分立や特待生制度を導入や基本的な校則の改訂などだな。」

「今のを聞いただけで兄様の学校が安全だとわかりました。まあ、元々知っていましたが。」

「何でだ?」

「兄様の学校ですから。」

そういうとフラヌは自分の部屋に戻っていった。

「やっぱり俺の妹は可愛いな」

アルゴは心の中でつぶやいた。



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この世界は偽りなのか? ky& @20080826

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