非情な世界に生きる、非情になりきれない男の物語

借金取りの男が、様々な人間の元へ返済金の回収に向かうお話です。

昔から、非情な荒くれ者たちがしつこく容赦なく取り立てを行うイメージが根強い、荒んだ闇が見える世界。
この作品にも闇の片鱗が垣間見え、最初は主人公もそういう人種なのかと思ってしまいますが……この主人公、どこか違います。

追い詰められるのは、借りた人間の方のはずなのに。取り立てる方が胃薬を手放せない、その理由とは?

闇の底にあるのは、真の闇ではなく。探ってみないとわからない、人間同士の深い繋がりかもしれません。
人情味にあふれた、奥深い物語。ぜひ、じっくりと味わってみてください。