4 考え事

私はとりあえず忘れようと思い家に帰ったら真っ先に自分の部屋の隅にある、ベットに飛び込んだ。何も考えたくなかった。私も小さい頃よく理希のことが恋愛として好きなのかな?と思うことが何度かあった。でもその好きは友情の好きに近いと思った。なんて言ったって私たちは従兄弟恋に発展するのはダメだと思う。何度も自分にそう言い聞かせながら残りの1日を過ごした。何も無かったかのように振舞おう!と心に誓う。回りのことを見る隙がなくなった。私はひたすら学校2向かって歩き続ける。後ろからいきなり引っ張られた。「池田!お前何してんだよ。危ないだろ。」と言われふと私がいた世界に戻る。私はいつの間にか赤信号の横断歩道を渡ろうとしていた。「ごめん。ぼーっとしてた。気をつける。」吉岡くんはため息をつきながらも、私の歩くスピードに合わせてくれそのまま学校に行った。私は自分の気持ちに気づいたのかもしれない。こういう優しい気遣いが出来る吉岡くんに恋心を抱いてるのだと。最近胸のドキドキが止まらないのは理希のせいではなく吉岡くんに恋をしているからだと。そう思った。この恋に気づいたとき私は理希に恋心を抱いていなくて良かった。私も普通の恋が出来ている。ちゃんと普通の女子高校生らしい恋が出来てる。普通の女の子になれている。でも心のどこかで理希が遮る。普通の恋ってなんだろう。

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この恋の止め方を教えてください かこ @kako1129

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