3 動き出す恋

私は高校を入学してからまた理希と話し出すようになった。理希は数日前から私に何かを言おうとしてくる。「陽菜、あのさ、、やっぱりなんにもない」と何度も私の耳に入ってくる。私は無意識に机の上に置いた手に顎をのせる。ココ最近理希のことを考え過ぎて授業に集中出来ない。もともとはあまり勉強ができる方ではないが、そこそこはできる。まあ平均くらいだ。でも、前のテストで赤点をとり、今日は追試だ。ため息が出る。隣から「わぁっ!」と驚かされた。私はビクッとし、声がした方を振り向くと私の前の席の吉岡晴人くんだ。「吉岡くんも追試?」と聞きながら少し笑う。「そうだけど〜。池田もだろ?」と少しバカにする言い方で言ってきた。私はムッとすると、吉岡くんは「ごめんごめん」と言った。追試が終わったあと吉岡くんと帰りながら話した。「池田って頭わるいんだねー」「まあ今回はちょっと色々あって、、まあいつもなら大丈夫だよ?」と言いそこからくだらない話をしながら帰っているとあっという間に家についた。「今日は送ってくれてありがとう。」「また今度遊んでくれるならいいよ。」私は「なにそれ〜。」と言いながら笑う。そう話しているときに隣の家の扉が開き理希がこちらに向かってくる。理希が口を開いた。「彼氏?」とだけ言った。私はクラスメイトと言おうとしたら先に吉岡が口を開き、「これからなる予定。」と言った。私はきょとん、とする。理希は「そうなんだ。」とだけ言って立ち去った。次の日、私は学校についたら、理希が来てと手で招く。私はついて行った。そしたら理希がいきなり小学生の頃のこと話し出した。「あのとき陽菜は俺ともう話したくない。って言ったよな?」私は理希の顔を見れず下を向きながら頷いた。「あれ本音じゃないだろ。友達になんか言われたんだろ?俺聞こえてたんだよね。」私は目を見開く。「あのとき俺に迷惑掛けたくなくて陽菜と話さないようにしてたんだ。でもまた高校で同じクラスになれて、嬉しかった。」私はそう思ってくれていて凄く嬉しかった。「でも昨日吉岡と話してる所見るとなんか嫌だった。」私は、ん?となる。「陽菜のことが小学生の頃からずっと好きだ。従兄弟だし親は認めてくれるか分かんねぇし、諦めようと思った。でも陽菜のこと諦められない。それくらい陽菜のことが好きだ。」私は動揺が隠せなかった。私は何も言わずにその場から走って教室に戻った。

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