第7話 エピローグ



 ファニブル領の大手門、そこにジョルノ、エメット、ニナがいた。


「ねぇ、ジョルノ、もう行っちゃうの? あのね、ジョルノが良かったら、ここに住んでもいいんだよ。私はそうしてくれると嬉しんだけどなぁ」


 寂しそうに語るニナにジョルノは笑顔で答える。


「また、会えるって! 僕達は友達だもん」


 そう言った瞬間、チャリコのエンジンがドゥルン、とその咆哮上げた。


「……」


 急に瞳を潤ませたニナが無言でいきなり抱き着く。慌てたジョルノが顔を真っ赤にし、後ろに座るエメットがニヤニヤと笑った。


 瞳に涙をいっぱいためて、ニナがジョルノの耳元で叫ぶ。


「絶対だからね!」


 ジョルノは照れくさそうだったけど、ニナの頭をポンと叩いて笑って答えた。


「当り前だよ!」


 見上げれば夏色の空が美しく、穏やかな風は大地に優しい。


「「またね、ニナ!」」


 ジョルノとエメットがそう言い、広大な草原に伸びる街道に土煙をあげ、チャリコが凄いスピードで疾走してゆく。


 振り返らずに手を振り続ける二人に、ニナはいつまでも、いつまでもその手を振っていた。





                                おしまい

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ジョルノ・ポーツと精霊錬金 福山典雅 @matoifujino

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