第3話 忘れられたもの
昔、本で見た事があります。この国の特産物は小麦。私が旅にでたらそこで一度その小麦を使ったパンを食べて見たいと思ったのです。
「お腹を空かせて参上します!私はそのためにここに来たのです。」
小麦が特産物といってもいたって平凡ですね。特に変わらない街並み。私の国とあんま変わらないのですね
特にパンが美味いとかいう宣伝もしてないですし、街の人に聞いてみるのが1番でしょうか。
「あの、そこのお方ここの国では小麦が特産でパンが美味しいときいたのですが・・・本当にそうなんですか?」
私が聞いたお兄さまによると
「小麦が特産?ここに住んでもう16年だがそんな話聞いたことねぇぞ」
「はぁ。そうですか。ありがとうございます」
えー国を間違えた?いやそんなわけはない。そんな風にとても悩んでいると近くにいた本を読んでいるお爺様が話しかけてくれました。
「ここの特産物について話を聞きたかったら銀貨1枚な」
仕方ないお金を払い話を聞きますか。がめついじじいにお金を払って話を聞かせてもらいました。
「小麦が特産物というのを本で見たのですが・・・どうなんですか?」
「小麦が特産物なのは300年前だ。時間と共にもう忘れられたんだろうな」
そんなに昔だなんて。じゃあ私の読んだ本はそんなに古い本なのですね。
「何を読んでいるのですか?」
「成仏についての本ですよ。人にも色々とあって皆に忘れられたら成仏出来ないなんてこともあるんですね。」
「ありがとうございます。最後にお名前を聞いてもいいでしょうか」
「ワシはドーラじゃ。ただの人間さ。他になにか聞きたいことは無いか?」
「いえ。何も」
そういい私は歩き。この国を探索しました。
「見た感じほんとに普通の国なので特に行く場所もないですね。でもパン屋があります。お腹も空かせたままですし食べていきましょう」
焼きたてという看板が置いてある。買いますか。
「これください」
「はいよ、銅貨1枚ね」
○
確かに美味しい。焼きたてで暖かくて美味しい。ですが・・・良くも悪くも普通なんですよね。
「この国にももう特にすることも無いので帰りますか」
一度はこの国のパン食べて見たいですね。
門の近くまで来たところでドーラさんがいました。
「あっドーラさん私はもうこの国をでます。お話ありがとうございます」
「旅の方。あなたはワシのこと忘れないですよね。」
「ええ。忘れませんよ。私ドーラさんのこと」
「それはありがとう旅の者」
ドーラさんはちょっと嬉しそうでした。
○
ほうきで空をとび次の国を探します。ですが突然思い出すものですね。昔読んだ本のタイトルは「忘れられた物」確か300年ほど前の本でした
著者は・・・
「ドーラ」
魔女の出会いと別れの旅の物語 トワ @towa_10812
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