おがなくなりきはあり続けて

「私の事、ハルって呼ばない?」
「学校で背が一番高いから男だろ、て。春緒の『お』は男だ、て言ってくるの」

ハルの受けた傷に、ナツはとある約束をする。
そして…。

何事にも始まりがあって、終わりがある。
変わらざるを得ない日々。もう傍にはいられない関係。身体と立場は変化し続け、やがて自らのあり方も想いも形を変える。
全てのものに永遠は存在しない。
それでも、あの時あった想いは色褪せることなくあり続けて――。

 近代の空気と、美しい花のように幻想的な描写が混ざった物語です。






 緒【お】
 長く続くこと。
 生【き】
 まじりけのない、また、本来のに加工も精製もしていないこと。