シンプル故に無駄がない分、無駄なく伝わる恐怖

双六とはさいころを振って駒を進めるボードゲーム。
進み止まったマスにより様々なイベントが起こるシンプルなゲーム。
シンプルが故に騙しがない、無駄がない、無駄がないのがこの作品の恐ろしいところ。
軽いのはサイコロだけでなく人命までも軽いときた。
確かにグロいしヤバいし不条理で理不尽な指示まであると緊張感と恐怖で読み手を震えさせているときた。
誰だって幸せになりたいし、誰だって幸せになれる権利はある。
あろうと、権利があるだけで義務はない。
誰かの幸せは誰かの不幸で成り立って……いや成り立たせなければ先に進めないし、進まなければ自分自身の人生が終わる。
ただ最初は狂気なんてなかった。
それが進む度に、終わりたくない、死にたくないへと変貌していく恐怖。
何より一番恐ろしいのは……おおっとこれはネタバレになるので、気になる方は最後の最後まで読んでみてください。

震え、ますよ、ココロが?

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