第七章 壊れた時計【完結】

ふと、名前を呼ぶ声に惹かれゆっくりと目を覚ます

そこは、見慣れた自分の部屋ではなく、白く高い天井

かろうじて、動かせれるのは、少し首を傾けて、目だけで今の状況を確認する

点滴や沢山のコードのようなモノに繋がれた体


そして、自分の手を握り泣く母を見て、掠れた声で絞り出すように、話掛けた

「こ••こ•••は?」


祖母が、母の代わりに先生を呼んだりしてくれてる間、ひたすら泣く母を黙って見ていた


落ち着いた所で、状況を説明して貰った

どうやら私は、父から暴力を受け、頭を打ち、2ヶ月の間眠っていたらしい


脳に異常は無いものの、精神的なものなのか、目を覚まさない私を母は、付ききりで介護をしてくれたらしい


これを期に、父とは離婚。

これからは、母方の祖母の家で暫くお世話になるようだ

眠っていた間に見たモノは、全て夢だったのか?

または、現実だったのかは分からない


そして、退院祝に何がほしい?と、祖母に聞かれて、白い犬がほしいと言ったら、私が目覚めた日に白い子犬が、祖母宅に迷い込んで、飼い主を探したが見つからず、そのまま飼う話になっていたそうだ。

名前は、私が付けて良いと言われたので、アオと名前を付けた。


壊れた時計が、息を吹返したように、私のこれからの時を刻み出す•••


病室のベッドの上から、窓の外に目をやると、満開の桜と優しいそよ風が頬を撫で、舞い込んで来た桜の花びらを見て、そっと微笑んだ。


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壊れた時計 サクサク @sakuya1213

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