第六章 夢の中へ

現実離れする為にも、毎日毎日同じ夢を見続けてる


夢の中までは、誰も追ってこれないから眠るのは好きだ。


何処までも続く草原。

白い中型犬アオと遊ぶ毎日。


隣で座る犬の背中を撫でながら

このまま夢が覚めなければいいのに•••

ポツリと呟いた


寂しいそうに見つめるアオに気が付き、アオの背中を優しく撫でる


どうした•••と、言いかけた所で、急にアオは立ち上がり、全速力で駆け出し、ふとこちらに振り向くと、悲しそうな声で、クゥーンと鳴いた。

まるで、お別れの挨拶のように••


後を追いかけようとしたが、アオの強い意志とこれ以上来ては駄目だ!と、言う意志を感じて、歩みを止める。


そうか•••

もう、お別れで会えないんだね•••

そう、言葉にした時に、頬をツーと涙が流れ出る。

夢の中とは言え、こんなに別れが辛いなんて•••


グッと涙を堪え、力一杯叫んだ


今までありがとう!

また、現実でもアオ!お前を探すよ!

何度でも、出会おう


アオは、それに答えるように、オォォォンと、高い遠声で鳴いた

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