美しい外見とは裏腹に、剣を持ち辺境での魔物退治が趣味のルルシア。
双子のようにそっくりな従兄弟の王太子アラステアに呼び出されては、彼を狙う暗殺者から守るため影武者をしています。
互いに信頼し合う関係なのに、顔を合わせればいつも喧嘩腰になってしまう二人。
呼び出しに文句を言いつつアラステアを守るルルシアと、そばにいて欲しいが為に影武者をさせるアラステア。本当は守られていて欲しいアラステアの気持ちにルルシアは全く気付きません。
王太子はこの鈍感令嬢をどうやって振り向かせるのか?
短編ながらキャラ設定が魅力的で、ルルシア視点で語られる物語は彼女のさっぱりした性格がよく出ており軽快です。
王太子を守る強い女の子と国を守る王太子のバディもの。
長編でないのが残念です。
さくっと読んでみてはいかがですか?
王国の盾と呼ばれる部門一族であるスタールジア辺境伯の令嬢、ルルシア。例にもれず彼女も剣を振り回して育った脳筋である。
彼女が定期的に城へ呼ばれる理由は令嬢らしいダンスやお茶会――ではなく、王太子の影武者。盾としての腕を見込まれた彼女は、迫り来る暗殺者から王太子を守るべく今日も凛々しく立ち回る!
脳筋で相手からの好意に疎い女の子ってとってもかわいいですよね。ルルシアはまさにそんなヒロインです。でも強さは彼女自身の努力の賜物であって、それを理解したうえで頼り、そして愛そうとする王太子にキュンでした!お互いに背中を預けられる男女バディ、尊い!
華麗に、そして豪快に戦うルルシア視点の一人称は落ち着いて読むことができ、丁寧さと爽快感が絶妙な作品でした。1万字という短い中でキャラクターの機敏が感じられてすごく良かったです。最後のまとめ方もとても綺麗だなと思いました。
隙間時間を有効に楽しむのにお勧めの一作です。ぜひご一読あれ!