立花蓮は、同じクラスの女子である如月さんに思いを寄せる男の子。
クラスや学年はおろか、校内随一の美貌である彼女は持ち前の寡黙さもあり高嶺の花の存在だった。
男子も女子も目を奪われる如月さん。告白も後を絶たないが、誰の告白も受けないらしい。
好きだけれど、お近づきになる勇気はない。今日も遠巻きに眺めているだけ。
……だったのだが。ある日、窓から何となく外を眺めていると突然如月さんに話しかけられる。
「何を、見てるの?」
やがてそれから日が開いた時。屋上で如月さんに告白されます。
「私と、付き合って」
突然の告白に混乱しつつ訳を聞くと、どうやら告白されまくる現状に嫌気が差し彼氏役を作ってしまおうということらしい。
何故蓮くんが選ばれたのか、そしてその2人の偽装恋人生活は何が起きるのか!
謎だらけの青春、謳歌しよう!
青春は、ぶきっちょな程輝いて見える! そんな物語です。
僕は主人公がもやもやしている様を見てワクワクしてしまい、そして無口なヒロインがたまに喋ってくれると、嬉しくなります。
女の子の事がまるでわからなくて、右往左往してしまうのは高校男子として当たり前。でも彼はそんな中で、彼女と少しづつ、少しづつ、その心の距離を測り始めます。でもそれはとてもスムーズとは言い難いけど、でもかけがえのない時間なのです。
誰かが誰かと知り合って、頭で考える常識とかセオリーとは関係なく、その誰かを知り、理解を始め、そして深めてゆく。恋愛の醍醐味はこの深さにあります。
ただ、自分を理解して欲しい、と駄々をこねるだけの浅い価値観では恋は上手く行きません。でも彼らは拙いながら、相手を尊重するスタンスを持っています。
だから、僕はこのぶきっちょな二人がとても眩しくて、「青春」を感じて見守りたくなるのです。
お勧めいたします。
かっこいい決め台詞なんかなくても、彼らは彼らの素敵な恋愛をきっと見せてくれるはずです。是非、お読みになってみて下さい。