毒舌美少女は最高です!

 結論から言うと、1ヶ月も経たないうちに落ちました。

 俺が。


「ねえ、パパこのえほんよんで!」


 今では幸せな家庭を築けている。

 5歳の娘もいる。


 名前は望月もちづき美鈴みすずだ。


「何の絵本だ?」


「これ!」


 美鈴が笑顔で絵本の表紙を見せる。


 これは、ははっ。


「麗、美鈴と一緒に絵本読まないか?」


 台所に立つ麗に声をかける。


「きりもいいし、そうするわ」


 麗がエプロンを外しながらこちらに来る。

 お互いに30歳になるんだが、麗の美貌は美しいままだ。

 変わったことと言えば、毒舌がなくなってデレ100%になったことぐらいだ。


 麗が美鈴の隣に腰をおろす。

 俺も美鈴の空いてる方の隣に腰をおろす。

 これで家族仲良くソファーに座る絵ができた。


「それで、何の本を読むの?」


「これだよ!」


 美鈴が俺のときと同じように本の表紙を見せる。


「翔、もしかして……」


「よし、美鈴読もっか」


「やったぁ!」


「ぅ、」


 素直に喜ぶ美鈴と、顔を赤くして恥ずかしそうにする麗。


 本を開く。タイトルは皆が知っているあの作品。


「『白雪姫』」


 何故だか、昔の記憶が蘇る。


 付き合ってすぐに麗が教室で堂々と俺に甘えだしたから皆びっくりしてたな。


 初デートは水族館に行ってお揃いのキーホルダーを買った。


 文化祭を一緒に回った。


 一緒の大学に行こうとか言って一緒に勉強した。


 大学入学と同時に同棲を始めて、1年後に結婚した。


 そして、就職して4年経って夢のマイホームを買い、美鈴が生まれた。



 本当に幸せだな。


 出会い方は悪くはなかったけど良くもないかな。

 面白くはあったけど。


「『鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?』」


 麗が俺を見つめながら言う。


「それは、家族3人で暮らす綺麗な綺麗な望月麗です」


「~~ッ!」


 麗の顔が湯気が出そうな程赤く染まる。


「ぱぱ、ちがうよぉ!」


 美鈴がおかしそうに笑う。


「ああ、ごめんごめん」


 俺は今度こそはきちんと読んで、読みきった。



 ほんと、麗と出会えて良かったよ。








―――――――――――――――――――――


完結です!

最後まで読んでいただきありがとうございます!



【勝手ながら宣伝しちゃいますね。読んでいただけると嬉しいです】


『昔の俺のせいで彼女が3人ぐらいできそうです。3人とも病んでて怖いので逃げたいです。』

https://kakuyomu.jp/works/16817330657745661584


☆1000超の長編ラブコメです!



『幼馴染みの彼女が主人公に寝取られた。まあ、ずっと前から知ってたんだけどね。』

https://kakuyomu.jp/works/16817330660159296035


カクヨム甲子園に応募している長編ラブコメです!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

毒舌美少女が鏡に向かって誰が一番美しいのか聞いていたからおちょくったら、なんか惚れられたんですけど。 猫丸 @nekomaru2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ