第19話冒険は続く
帰還の扉をくぐり抜けると、そこはぼくたちがもといた公園だった。
「ぼくたち、帰ってきたんだ・・!」
そう思ったら全身の力が抜けて、その場に倒れてしまった。
「東野くん!どうしたの!?」
「アハハ、なんだかほっと安心したら体が自然に倒れたんだ。」
「確かにそんな気持ちだね。」
「ホントに色々大変でしたよ・・」
「恐竜や猛獣やモンスターに襲われたり、水や食糧を探したり、本当に大変なことばかりだったよ。」
「ああ、でも楽しかったな・・・。色んなことを経験して、ハプニングもラッキーも楽しいことばかりだったよ。」
「そうだな、今思えばこの夏休みで最高の思い出になったぜ!」
「最初はひょんなことだったけど、非常に有意義のあるものになりました。」
みんな冒険は大変だったけど、いい経験になったと言っている。それを聞くと、ぼくも自然とうれしくなった・・。
翌日、夏休み真っただ中の日々が続くなか、ぼくは北邦くんと一緒に町内を歩いていた。
「今日はこの道を右にまがってみよう。」
「そうだな、この先はまだ行ったことが無いしな。」
今、ぼくと北邦くんはちょっとした冒険にハマっている。
近所のあまり見ないところを歩いて、公園や
カーブミラーのある角を曲がって、住宅街を進んでいく。みなれているようでみなれていない町並みが広がっている。
歩いていると、すぐ近くにコンビニを見つけた。
「あれ?ここ、コンビニできたんだ。」
「そうだな、前は畑だったのに。」
そしてコンビニを通りすぎると、神社にたどり着いた。神社は大きな石造りの鳥井がそびえたち、本堂は古びている。境内の木々が日の光をさえぎり、薄暗く涼しい場所となっている。ぼくと北邦くんが一休みしようと、神社の石のかいだんで腰を下ろそうとした時だった。
「おや・・?」
境内の木の下に、一枚の巻物があるのを見つけた。
「これはなんだ・・・?」
ぼくがひろって広げてみると、それは一枚の地図になっていた。
「北邦くん、これって・・」
「ああ、またあの冒険が始まるんだ!」
ぼくと北邦くんは互いに顔を合わせて、ワクワクした笑顔になった。
東西南北団の冒険〜不思議なコンパスの宝探し 読天文之 @AMAGATA
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