タイから日本に帰国した亜希は美しい容姿とタイで身につけたカービングフルーツの技術を用いて懸命に、しかし孤独に、大都会で生きていた。
そんな亜希が心を許すのは自室で亜希の帰りを待つ美しい熱帯魚のベタだけ。
亜希はベタの姿に何を想い、何を重ねるのか…?
熱帯魚やネオン輝く都会の夜の華やかさを巧みな語彙と幻想的な視点で描く作者様の手腕と知識に脱帽。
アクアリウムの怪しげな光と都会のネオンが重なり合い、ホステス達の美しいドレスとベタの優美な鰭が重なる。
様々な仕掛けが施された巧妙でミステリアスでアダルトな一冊。
鋭い閃光のようなラストの衝撃をぜひご自身の目でお確かめください。