第2話旧商店街
日差しが眩しい。
4月だとは思えない暑さに
久々の仕事だった為、気合いを入れてしっかりとした格好で来たのが仇になった。
これだったらいつも通りにラフな服装で、来るべきだった。
そんな風に己の愚かさに後悔しつつ、相澤は再び少女から送られてきた手紙を見た。
「間違いなく魔女に取り憑かれているよね。この子。そして、人に害があるタイプ。」
困ったように頭を掻いた。
正直言って人に害があるタイプの魔女は、私の専門外だ。
私は、戦うことは苦手な為、本当はもう1人欲しいところだった。
だが今この地域を担当しているのは私しかおらず、まったく支援も来ない。
理由は、簡単でここがすごく過疎っているからである。
住民が少なく、魔女の被害も少ない。
その為、ここの地域を担当してもまったく稼ぎにはならず、審問官が私以外居なくなってしまった。
そんな中、人に害がある魔女の出現。
「はぁ〜。どうしよかな。」
こんなに人が少ないのに、どうしてピンポイントにこの旧商店街に出てしまうのか。
相澤は、さっきほど通ってきた方を見る。
そこは、寂れた商店街とは対照的に、活気に溢れていた。
この街は、旧商店街と新商店街が分かれていると言っても過言でない。
そして、旧商店街からどんどん人が出て行ってしまった。
それで、今のシャッター商店街になってしまったらしい。
そんな悲しい過去がある商店街を進み続ける。
「あれかな?真中ちゃんのお家は。」
シャッターが降りている店が続く中、一つだけ電気がついている店があった。
かなり年季が入った青い屋根のお店。
そして、目立つ黄色の文字で、横山商店と書かれている。
ここに住む高齢者のライフラインであり、
とりあえずお店の方から伺ってみる事にした。
「お邪魔します。」
と全開に開いた入り口から中に入っていった。
中は、様々なものが高くまで積まれており、絶妙なバランスで今の状態を維持していた。
下手にいじって倒したくないので、慎重に前に進んでいく。
前の方に進むと、レジの前で、小学生くらいの少女が椅子に座っていた。
どうやら漫画に集中していて、美穂に気づいていなかったらしい。
「あなたが横山真中ちゃん?」
いきなり声が聞こえてびっくりしたのか、少女は椅子から転げ落ちてしまった。
「だれだれ!?」
長い髪を振り回しながら、必死に声の主を探していた。
だいぶパニックになっているようだ。
流石にびっくりしすぎじゃないか?
「ごめん!魔女喰いさんだよ〜。ほら、あなたが呼んだんじゃないの?」
「魔女喰いさん?魔女喰いさん!?来てくれたんですね!本当に、本当にありがとうございます!私、横山真中って言います!!」
嬉しいのか、さっき以上に真中は、暴れ始めた。
、
魔女喰いとスキャッターブレイン @twweqte2
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