第23話 快楽に溺れる①

 辛い。カレーを一口頬張った感想だ。鶏もも肉の入ったチキンカレーだったのだが、美味いのかどうかはわからない。自分にとって辛かったのは事実だ。僕はそのカレーを必死で口にかきこみ頬張った。


「清史郎必死だね。早くシたいの?」


 あかねの質問に無言で頷いた。麦茶を飲んで流し込み、更に頬張る。向かいの席に座ったあかねが笑いながら話しかけてくる。


「ねえ、今夜はどっちとシたいの? 私? それとも小夜?」


 僕は静かに首を振った。どっちかなんて選べない。どっちともヤリたい。先ほどから僕のアレは固くなっている。


「シたくないの?」


 今度は小夜の質問だ。僕は無言で首を振った。


「シたいんだ。良い事を教えてあげる。私はまだバージンなんだ。処女」

「え?」


 処女なのに何で?

 経験豊富なあかねと一緒に?

 何が目的なのか?


 理由を詮索しても意味はない。小夜は僕とセックスしたいからこの部屋を訪れた。僕に彼女がいる事を知っていて、それでも尚、僕に好意を寄せてくれている。そう思うと僕は更に興奮した。


 これはチャンスだ。複数の女性と性的な関係を持っても問題が起きないのだ。今までは陰キャで女性と縁が無かった僕に訪れたモテ期なのかもしれない。いや、小さいながら僕のハーレムが出来てしまった。これは自由に複数の女性を抱けるハーレムなのだ。


 僕はカレーを食べ終え、食器もそのままにして小夜の後ろに立つ。小夜とあかねはまだもぐもぐとカレーを頬張っているのだが、そんな事は関係ない。我慢できなくなった僕は小夜の背に腰を押し付けた。


「まだ食べてるからちょっと待って」

「うん。でも待てないかもしれない」


 浅黒い小夜の背中。肩幅が広く筋肉質で逞しい背中だ。そして肩越しにちらりと見える胸の谷間は、あかね程ではないがそれなりに豊かだ。


 僕はエプロンの上から小夜の胸を撫でた。透けそうな薄い生地のエプロンを押し上げている蕾を指で挟んで刺激しながら、胸全体をゆらゆらと揺さぶった。


「ああ……まだダメ。食べているから」

「我慢できないよ。早く小夜を抱きたい」

「私とシたいのね。どうして? 処女だから?」

「それもある。僕は処女としたことが無い」

「奈々恵ちゃんは処女じゃなかったのね。他の理由は?」

「この前、自転車を買いに行った時に……」

「?」

「健康的でイイ女だと思った。奈々恵やあかねと違ったエキゾチックな魅力があった」

「色黒なのがイイの?」

「ああ、ゾクゾクする」


 これは本音。スリム美女のアザミとぽっちゃり可愛い系のあかねとは全く違うタイプの小夜に興味があったのは事実だ。


 僕はエプロンの横から両手を突っ込んで、直接小夜の胸に触った。彼女の胸をゆっくりと揉んで刺激する。


「嫌だ」

「痛いの?」


 小夜は首を小さく振った。


「感じちゃうから……」


 消え入るように呟く小夜を虐めたくなった。僕はしゃがんで片膝を立て、小夜の太ももを撫でていく。小夜はカレーを食べながら艶っぽい吐息を漏らしていた。


「それ以上は……」

「ダメなの?」

「ダメじゃないけど……後にして。ベッドで……ね」


 僕は小夜の嘆願を無視してその奥へと手を伸ばし、彼女の股間を撫でていった。


「あああ……だめ。まだ。待って。ああ」


 小夜は拒否しない。

 僕は更に小夜を愛撫した。


「はあああ!」


 小夜は体をビクビクと痙攣させて艶やかな吐息を漏らしている。僕の愛撫に相当感じているみたいだ。


「もっとして欲しい?」


 僕の問いに、小夜は体を震わせながら頷いていた。もう少しで小夜は絶頂に達する。このまま攻めるか、それとも焦らすか。


 僕が更に小夜の奥へと指を這わせていると、あかねが席を立ってから僕の背に抱き付いて来た。そして僕の胸やわき腹を優しく撫で始めた。


「今、メチャ興奮してる」

「わかる。清史郎は小夜に興奮しまくりだよ」


 あかねが僕の下半身に手を伸ばして来た。僕も目一杯興奮しており限界が近い。しかし、僕の執拗な愛撫に小夜が先に音を上げた。彼女は声を押し殺して体をビクビクと痙攣させたのだ。


「イ……イ……」


 小夜は呼吸が上手くできないようで、息を止めたまま喘いでいる。そして僕も限界を迎えようとしていた。


「小夜ちゃんイッたね。清史郎はどうする?」


 あかねが僕の肩口であーんと大きく口を開けた。あかねは口で奉仕してくれるらしい。しかし、僕は処女の小夜とヤリたかった。


「ごめん。先に小夜としたい。あかねは後でいいか」

「仕方がないなあ。後でちゃんと抱いてよ」


 あかねの言葉に頷きながら、僕は小夜の手を引いてベッドへと倒れ込んだ。僕は小夜と抱き合って、舌を絡める熱いキスを交わした。そして、小夜のエプロンを剥ぎ取った。彼女の浅黒い肌を舐めまわしながら、彼女の胸に吸い付いた。そしてお互いの敏感な部分を手で愛撫する。


「ああ、感じる。もっと、もっとして」


 小夜は溢れるほど濡れていた。僕は我慢の限界で、早く小夜とセックスしたい。処女の彼女と交わりたい。今はもうそれしか考えられなくなっていた。


 僕は小夜の上に覆いかぶさり、腰を押し付けた。小夜も感じているのか切なそうな吐息を吐く。


「ねえ。挿れて」

「ああ」


 僕は彼女の中へゆっくりと押し進む。


「痛くない?」

「うん。もっと奥まで」


 僕は小夜の顔を見つめながら腰をゆるゆると動かす。小夜は喘ぎ声を出しながら頷いている。彼女はこの先に進んで欲しいと嘆願しているのだ。


 僕は腹をくくって力を込めた。小夜は一瞬「痛っ」と言ったものの、自分から腰を動かしてきたのだ。


「痛くないの?」

「ちょっとだけ。でも、凄く興奮してるし痛いよりも気持ちいい方が勝ってる。清史郎も動いて。気持ちよくなって」

「ああ」


 処女の小夜。

 僕は彼女とのセックスにあり得ないほど興奮していた。限界が近かったが、歯を食いしばって腰を動かした。


「気持ちいい。もっと大胆に動いて」

「わかったよ」


 僕は小夜の望むまま激しく腰を動かした。しかし、最後の時は直ぐにやって来た。僕たち二人は強く抱き合い、お互いの腰をぶつけ合った。


「気持ちいい。イク。イクウ」

「僕もだ」


 絶頂は二人同時だったと思う。僕たち二人は強く抱き合って体を震わせていた。


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ボクの彼女は悪魔です 暗黒星雲 @darknebula

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