(四)-7(了)

 そして彼女は目をつぶった。

 サナさんが近づいてきて「少し休ませてあげましょう」と言った。彼女の握力が徐々に抜けていくのがわかった。

 そして俺はサナさんと一緒に病室を出た。

 すると廊下の向こうから医師と看護師が早歩きでやってきて、勢いよくドアを開けて病室に入っていった。

「あなたは一階のロビーで待っていて。後で送ってあげるから」

 サナさんはそう言って病室に入った。そして俺の初恋の人がいる病室のドアは、俺の目の前で閉じられた。


(了)

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そのドアの向こう側 筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36 @HarunaTsukushi

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