エピソード37 大作戦の後のバカンス(後編)
最近何かと心身共に疲れや暗い空気が流れているHOPPERのメンバーを労わろうと灯が考案と交渉と手配と責任者を担ったバカンスを実行し
二日目を迎えていた。
工義と和也は朝からの温泉入浴を満喫して温泉上がりに牛乳とコーヒー牛乳を飲みその後浴衣に着替えてから出て割とすぐにある卓球台を見つける。
「なぁ、工義。」
「なんですか和也さん。」
「温泉上がりで牛乳を飲んでその後着替えて出てきたら目の前に卓球台ってことはよ。」
「皆まで言わないで下さいよ。やりたいんでしょう?卓球。」
「やらなきゃだろやっぱり」
と言い終えると互いが卓球台の対になるように立ち、ラケットを手に持ち、工義が球を持ち、両者共自分に合ったフォームを決める。
「行くぞ!工義…」
「何処からでもどうぞ!」
卓球のボールが勢いよく工義に向かって放たれた。
それをしっかりとらえて撃ち返す工義。
それに負けじと打ち返す和也。
ラリーが着実に続いて行くだが、八回続くと和也が動く。
「見せてやる!俺の必殺サーブ…はぁああ!サイド高速弾!|《こうそくだん》」
と言い放つと打ち返すのがきわどい位置に和也の打ち返す力で再現した速い球を相手に向けて放つことである。
それを見てかつ最近戦闘やトレーニングで培われた動体視力でその球に反応し何とか打ち返す。
「何!?…」
いつも卓球をやるとこれで終わっていたので油断して打ち返せなかった和也。
「やられた…くっ…」
「よし!」
と段々白熱する二人。
激しいラリーを繰り返す事数十分。
流石に疲れを見せ始めるなので奥の手を繰り出して自分が勝つ目に出すことを決めた二人。
「俺から行きますよ。フェイントスピン!」
「くっ…ま、まだ終わらせないぞ!高速魔球!はっ!」
「あっ…ヤバい…」
「決まった…!」
とその時ギリギリでラケットの端がちゃんと触れて勝負を決めたと完全に思い込んで油断していた和也はボールをスルーし何の変哲の無い返しで負けた。
その後工義に負けたので牛乳を奢った。
その後今日の予定がどうなるのかの話し合いが大広間で朝ご飯を食べながら行われたのだが、工義と和也は朝からはしゃぎすぎて少しバテていた。
「どうしたの?二人共。朝から少し疲れた顔して」
「朝から温泉は行ってその後に和也隊長と卓球勝負してたら白熱しちゃって」
「つい燃えてしまってなペース配分を少し間違えた…。」
「これだから男という奴は…。まぁ、良い今日も一日過ごして明日変えるんだしっかり楽しめよ。次はいつこんな休みを取れるかはわからんからな。」
「分かりました。」
「それもそうだな。」
とやり取りをしつつ朝ご飯を食べてしっかりと今日の予定の確認をした。
今日の予定
朝は各自ビーチで過ごしたり旅館の清掃の都合上外で過ごす事
一時過ぎには旅館の近くの広場に集まり各々食べたいもの一緒なものとまとまって行動して食べる事
(何かあった場合は指揮官に報告する事)
その後各々したい事をする自由時間
を三時間半設ける。
その後指定した場所へ集合しそこでバーベキューをする。
その後は宴会をする。
その後解散のち
各自自由に過ごす。
「と言う予定で行くわ。」
「分かりました。」
「了解。」
と隊員達や工義や和也が把握できたところでご飯を食べ終えると各々過ごしたいように過ごした。海の近くをランニングしたり海で泳いだり温泉でゆっくりしたりして過ごして時は経って一時過ぎの昼食を取る時間を迎えた。
「よし、皆、食べたい物をたらふくえ!」
「はーい!!」
と各年長者のリーダーが呼び掛ける。
体育会系のノリで盛り上がって各々が食べたい物を注文をし部隊のお金から隊員達の食事は支払われた。
皆、満腹になるまで食事をした。
そんな中調子に乗って食ベ過ぎてバテたり、苦しんだりする者も出たがその出来事もあの戦いのし烈さと比べれば笑い話になって行った隊員であった。
その後は海で泳ぐ者や、ビーチバレーをしたりサーフィンをしたり室内で出来るゲームをしたりビーチパラソルでリラックスしながら過ごす者達が居た。
工義は親睦を深めようと時間が許す限り隊員達と一緒に過ごして親交を深めて行った。
共に楽しみを共有する事でより隊員達と命を預け合ったり信頼関係を作ろうと頑張っていた。
だが少し頑張りすぎてバテてくる工義。
少し休憩をするとバーベキューをする時間になった。
「君達のこれまでの功績にちょっとしたご褒美で我々が全て支払う!思う存分楽しめ今回のメインイベントバーキューを!!それじゃみんなー!乾杯!!!」
司令官の灯の発言でバーベキューが始まった。
皆この身の酒や好きなお肉を焼いて楽しく談笑しながら食べた。
皆段々和みすっかり暗い空気は抜けていた。
その雰囲気や光景を見なながら満足げな満面な笑みをしながら酒をたしなむ灯。
それから数時間が経ち仲間達から少し離れた所で一人黄昏ながら日本酒を飲む工義。
その姿をトイレから帰って来た和也が見つけ話しかける。
「工義。皆とあっちで飲まないのか?」
「いや、ふと夜風に当たって考えたい事があってこっちに居ました。」
「そうか。その様子だと何か悩み事か?工義。」
「え、どうしてそう思ったんです?」
「今までお前みたいな表情を浮かべたやつを沢山見て来たからな。なんだ、俺でいいなら話して見ないか?」
「そうですね。一人で思い詰めるより聞いてもらった方がいいかもしれないですね…」
「そうだ。はなせはなせ~」
「俺…今回の戦いでこんなに沢山の人が死ぬだなんて思わなくて…何とか皆で生きて帰れるって心のどこかで思ってました…。でも、現実は…多くの犠牲が出てしまったそんなに仲が良かったかと言われるとそうではないですけど一緒にトレーニングや実践を戦ってきた人も今回犠牲になりました…。俺、正直この戦える力を手に入れて自分が頑張ればなんとかなる誰も死なないんじゃないかと思ってました。でも実際は俺一人じゃどおにもならなくて一回負けて皆に助けられて死人を出してしまった事実に耐えられなくて…。俺がもっと凄ければって!」
「そうか。お前の言いたい事は分かった。あのな!お前の為にとそいつらの為に俺が言う。簡単に俺達を決めるな!!」
「え?」
「俺達は確かにお前を頼りにしてる。だけどな!これだけは覚えとけ!!俺達だって命をかける覚悟でここに居るんだ。俺達の意思で何かしたくて自分で決めてここにいる。だからお前が背負う必要はない。お前はお前にやれるベストを尽くしたじゃないか!だからおまえはよくやった。」
「隊長…。ありがとうございます。気が楽になりました。」
「そうか。これからもお前の出来る事を精一杯やってくれたらそれでいい。」
「はい。頑張ります。」
その後は仲間達の元へ行き一緒に盛り上がった。
こうして夜は更けて行き
あっという間に休暇のバカンスは終わった。
気持ちも新たにこれからも仲間達の想いと共に戦い続いて行くのであった。
続
人工戦士リヒト 赤嶺高真@超BIGなプリン @isekaiikitai1202
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。人工戦士リヒトの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます