第6話 新しい小説のエスキース 二作。


1 タイトル GO TO HELL

 ストリートで漂流し、援交で生計を立てる少女ナルミは、幼少の頃父母と弟を連続殺人犯に殺害され、施設を抜け出した主人公である。


繁華街で、老女から呼び止められたナルミは不思議な祈祷場に連れて行かれて予言される。死刑となった殺人者は閻魔王法廷から逃れるため、「天網恢々」を破って、この世に舞い戻って来ようとしているのだと。


老女は韓国の伝統的祈祷師、ムーダンであった。かつて前世で彼女は朝鮮王朝の名君中の名君、世宗大王セジョンテワンに使える侍女で、世宗が世子セジャだった時予言したのだ。


あなたは王となり、民衆が読めない漢文を訓読する文字、ハングルを発明し、国家を強固にし、歴史に名を残すであろうと。


そして彼女は夢の中で、世宗の生まれ変わりで巨大IT企業を興す青年と出会うことを告げられる。ただしそれには彼女が現代で、隣国日本の少女を救わねばならないと。


ナルミは、ムーダンの老女が精製した韓方の向精神薬によって、ジュリエットのように数日間仮死状態に置かれる。その間に、ナルミは閻魔王法廷に出向き、殺人犯を捕らえるための援助を申し入れる。よく似た境遇で今は更生して閻魔王法廷で仕事をするマヤはナルミを閻魔王に引きあわせる。


ナルミは殺人犯を地獄へ落とすため、自らも地獄へ堕ちていく。

そこで彼女は神曲を書いたダンテに出会い、地獄への門戸を開いてもらう・・・・

というストーリーがひとつめ。



タイトル

WET DREAM


大学で目標が見つからない青年、ミズサキはワークホリデーで訪れた南洋の島国、ニューステラ共和国の語学学校図書館で不思議な伝説と出会う。


それは美しい人魚が繁殖するために、一年に一度だけ下半身の鱗が脱げて二本足になり、男子の人魚と結ばれるのだと。ある時、宿舎から無人海岸を歩いていた時、ミズサキは下半身の鱗の体を脱ぎつつある人魚に出会い、恋をする。そして海岸で結ばれるミズサキと人魚。


大学でミズサキが再び伝説を読んでいた時、そこには新たな一節が付与されていた。


いずれの時にか、ある人魚が人間と夜結ばれて人間の子を宿し、その子は小舟に入れられ流されたのだが、流れ着いた島で王になったという。


この小説では官能世界を描いているので、主にミズサキと人魚との熱い愛欲シーンをエロティックに描写します。


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日々アート ー 小説におけるリミックスとは。 山谷灘尾 @yamayanadao1

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