第2話 逆ナンされたい


 さて、俺がどれだけストーカーがされたいか、分かって貰えただろうか。おそらく一部の人は『そんなに性欲が有り余ってるなら、風俗にでも行けよ!』と思った人もいるだろう。だがな?俺は童貞だ。最初くらい好きな人とヤりたいじゃん?べっ⁉別に、風俗に行ったこと無いから入れないとか、デリヘルとか呼んでも緊張して勃たないかもしれない、とか考えて行かない訳では無いぞ?・・・だって勇気いるやん?

 どれも童貞にはハードルが高すぎる!この手の話に詳しい友人でもいれば良いんだろうが、残念ながら友達0人。ドヤァ(泣)

 そこで俺は考えた。女性の方から襲って貰えば良いんじゃないかと。

 ラノベの中に『貞操観念逆転世界モノ』があるだろ?あれ、羨ましいよな!黙っててもヤれるぜ?最高だろ!毎日ヤりたい放題!!中には、子供作って金まで貰える場合もある!そんな世界に生まれたかった!(血涙)

 取り敢えず俺が言いたいのは、『ドスケベな女に会いたい!!』ってことだ!!しかも陰キャの活動範囲内でだ!要はクラブとか陽キャどもの溜まり場を使わずに、女性と出会いたい(ヤりたい)ってこと。逆ナンとか良いよね!!

 目的を達成する為には、『何処をエロい女が溜まり場にしているか』や『立ちんぼの集まる場所』について一生懸命調べた。”くだらない”って思う人もいるかもしれない。だが、男にはや(ヤ)らなきゃいけない場面がいつか来るんだ!安全に女を抱く為に、努力して何が悪い?性病って怖いんだぞ?よく知らないけど。


 今流行りの服装を調べ、ネットで買う。これ大事。店で買うのはハードルが高すぎる。別に店員と話すことが嫌な訳では無い!一番の問題は、流行りの服を買っているところを見られることだ!着ることが問題なんかじゃ無いんだ!

 俺が流行りの服を買っているところを、普通の人が見たところで、何の問題も無い。ただ、店員は違う。相手はこの業界の所謂いわゆるプロだ!試着室などで試しに着てみたり、体に合わせていたりしているところも見られているかもしれないのだ!考えても見ろ?なんとなく手に取った服を自分に合わせてみて、『なんか違うな?』とか『ちょっと似合わないな』って思っているところも見られている可能性があるんだ!!そこの読んでいる君、”被害妄想が酷い”とか考えているかもしれない。”だったら、ある程度自分のサイズに合った服を買って、家で体に合わせれば良いじゃん”とか思っている人も中にはいるかもしれない。俺も最初はそう思っていた。でもさ?相手はプロだよ?客が手に取った服を、脳内のイメージのみで相手に着させる事だって出来そうじゃない?そう考えたら恥ずかしくない?ちょっと自分のサイズより小さめの服を手に取ったり、会計に出したりした時、店員の頭の中では自分に着せられているかもしれないんだよ?怖いよね!!


 目的地に着いたら、歓楽街の大通りを歩こう。

 周りには胸元を開けた女がそこら中に居た。あれ、誘ってるよな。

 そして、同じ道を最低二周する、これを道を変えながら繰り返す。あまり同じ道を歩き過ぎると変に思われちゃうかもしれないから気を付ける。

 2時間から3時間経過したら、次は裏路地っぽいところに入る。時々、こんな場所でも誘われることがあるらしい。ネット情報だ。先程と同じように複数回、道を通る。今日はいないらしい。

 同じ道を通る理由は、もう一つある。それは・・・ストーカだ!!

 もしかしたら、俺の事を気に入ってくれる人もいるかもしれないだろ?だから同じ道を通って、顔を覚えて貰うんだ!

 お金目当てでも良いから、俺のストーカをしてくれる女性はいないかな?あっ!殺されるのは嫌だよ?殺されるなら、せめて女とヤりたい!!誰でも良いよ?顔とか体型とかあんまり気にしないし。太り過ぎてたら抱けないかもしれないけど。


 逆ナンされたいが為に、ここまでお金をかけている。絶対、風俗とかの方が安く済む。いつも通り5時間ほど歩いたら家に帰る。今日もヤれなかったな。帰り道も、後ろを気にしながら歩く。ストーカーされている事に期待しながら。


 ここで一つ皆様に言いたいことがある。

 彼は約1年程同じようなことを繰り返している。しかし、自己紹介にあったように、彼はまだ童貞だ。勘のいい人は気付いただろう。こんだけやってまだ、誰一人ともヤったことが無い事を。はっきり言う。此奴は馬鹿だ!クズなうえに馬鹿なんだ!彼にはそろそろ気付いて欲しいものだ。


 マンションに着いた。俺が住むマンションは10階建てで、上の階に上がるには階段とエレベーターの二つの手段がある。

 俺の部屋は10階にある為、普通ならエレベーターを使うんだが、俺は階段を使う。何故なら、酔っ払った状態で家に向かい、残念ながらも自分の部屋の前で寝てしまっている女性が居ないか確認する為である。残念ながらね、残念ながら。

 実際、このマンションの最上階を選んだのは、これが決め手だ。途中の部屋を借りてしまうと、いちいち上に上がらなければいけないからだ。

 一階一階確認し、女性が居ないか確かめる。別に見つけたからと言って、何かする訳では無い。多分。

 そんな感じで、漫画のような事が起こるかもしれないと期待しながら部屋に向かう。

 残念ながら居なかった。一人くらい居ても良いと思うんだがな。


 部屋に入り、服を脱いでいた時、思わず口に出す。


 「今頃、ヤリまくってんだろうなー。本当に羨ましい。」



 一人の頭の中はいつも真っピンクだ。





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服の話について少し補足を。

 彼は別に、店で服を買うことを批判したいのではありません。素晴らしい職業だと思いますし、店員の意見を聞いて、コーディネートするのも楽しそうですしね!

 ただ、彼はちょっと悲観的と言いますか、擁護出来ないんですけど。気に障った方が居ましたら、本当にすみません!

 色々な価値観があると思いますので、これからも温かい目で見て頂ければと思います。下ネタを温かい目で見られるのは、ちょっとヤバいかもしれませんけど。

 


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ストーカー?羨ま・・・そんなことしちゃ駄目だよ?~ストーカーされたい症候群♡♡♡ 未来アルカ @syeaksupia

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