第4話 僕の本屋さん4(もう、ええちゅうの)

自販機は当てにならない。

僕が最初に人生の教訓にした話です。(笑)


少し、経験を積んだ進少年。

何と、スーパーマーケットで見つけたのです。


理想のエロ本を。


メジャーピンク映画の機関紙でした。

奇麗なお姉さんばっかし。


でもでも。

スーパーマーケットの雑誌コーナーでは中々、見つけられなくて。


本屋さんに行きました。


だけど、レジでの清算は勇気が必要で。

普通の本屋さんでは無理!


そうです。

「普通の本屋さん」では。


そこで。

家から10kmの隣町の本屋さん。


「知新堂」

高尚な名前の割にはマンガとエロ本ばかりの店でした。


しか~し!


レジのオヤジが。

波平さん!


ソックリの禿げ頭にちょび髭。

不愛想なところも、グッ~ド!


理想的なエロ本販売店です。


何回か利用して。

進少年にはパラダイスの本屋さんでした。


だけど、ある日。


息を切らして自転車を止めると。

レジには、綺麗なお姉さん。


娘か。

息子の嫁か?


どちらにしても。

買う勇気は、ありましぇん!


しばらく商店街をウロウロして。


覗いたけど。

レジはお姉さんのまま。


おいっ!

波平!


飯でも食ってるのか?

早く、店に出ろよ!


少年の願いも空しく。

一時間たっても、綺麗なお姉さんはいました。


トボトボと家に向かって。

自転車を漕ぐ、進少年。


でも、駅前の本屋さんをチラリと覗いたら。

レジには、オッサンが!


頭の中に讃美歌が鳴り響く進少年。

自転車を降りて、ダッシュで雑誌コーナーへ。


荒い息を飲み込むように。

レジに黙って差し出して。


ゲット~!


包装してもらった雑誌を胸に抱えて。

自転車のスタンドを下ろしていると。


ポンと。

肩を叩かれました。


振り向くと。

見知った二人の先輩。


テニス部と陸上部のキャプテン。

僕はバスケ部でしたが、結構、可愛がってもらってました。


「進く~ん・・・」

明らかに嬉しそうな顔。


「な~にを、買ったのかな~?」

今でも思い出す、ドヤ顔。


(し、知ってるくせにぃ・・・)


僕は真っ赤な顔をしていたのでしょうか。

何故なら、その後、何か月も。


エロ本買った僕をイジル先輩に悩まされたからです。(笑)


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祭りの後で・・・2 進藤 進 @0035toto

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